メダカ飼育に水草を入れることも多いですが、水草といっても種類はたくさんあります。
定番の水草からあまり売ってない珍しい水草まで様々です。
そんな数ある水草の中でも、メダカ飼育において定番になっているのが「アナカリス」
丈夫でめったなことでは枯れず、成長も早いため初心者でも扱いやすい水草です。
今回はアナカリスのメダカとの相性や注意点についてまとめています。
目次
アナカリスの概要

アナカリスという名前ですが、場合によっては「オオカナダモ」や「金魚藻」とも呼ばれています。
南アメリカ原産で、実験材料として持ちこまれたものが流出、帰化して今は日本全国で広く見られます。
葉の薄さや細胞の見やすさから、中学校の理科の光合成の単元ではオオカナダモという名で一度は目にしたことがあるかと思います。
僕も昔塾講師をやっていたころに理科を教えていましたが、オオカナダモは必ず出てきましたね。
飼育下では、弱酸性から弱アルカリ性まで幅広い水質に適応ができて、水温もメダカが生存できる範囲内なら特に問題ないです。
アナカリス自体も他の水草と比べると丈夫なため、めったなことでは枯れず、簡単に育てることができます。
ちなみにアナカリスに似た水草で「クロモ」という日本原産の水草もあり、こちらは後から入ってきたアナカリスによって数を減らしつつあります。
りょうた
アナカリスとメダカの相性

適応できる環境がメダカとほぼ同じなため、メダカとの相性はとても良いです。
生存できる水質もから弱アルカリ性まで幅広いですし、水温もメダカが生きれる水温であれば普通に育ちます。
もちろん、水草なので水質浄化の効果もあります。
また、葉がそこまで大きくないのでメダカがアナカリスに卵を産みつけていることもあります。
ただし、ミナミヌマエビやヤマトヌマエビを同じ水槽に入れている場合は、アナカリスを食べているような様子も見られるので注意しましょう。

とはいえ、すごく食べるわけでもなくエビ用のエサやメダカのエサの食べ残しがあればそちらを食べるので、それほど気にする必要もありません。
アナカリスは簡単に増やせる
定期的にトリミングしよう

アナカリスは環境が合っていれば成長が早いため、定期的にトリミングする必要があります。
水草のトリミング用のハサミを使えばキレイに切ることができます。
成長も見据えて、水深の半分くらいの長さに切るとちょうどいいですね。
水深が20㎝なら10㎝に切るとか。
切った先端の方を10~20㎝くらいの長さでトリミングして、3~5本くらいでおもりに結びつければ数的にもちょうどいいです。
(多いとおもりで巻けないし、少ないと殺風景になりがちなので(笑))

春~夏は成長が早いことが多いので、月に2,3回くらいはトリミングをする必要がありますね。
ただし増えすぎに注意

弱っていましたが、脇から新しい芽が出てました
切った先はそのまま成長しますが、根元の方も切り口のそばから新しい芽を出してそれが成長していきます。
特にトリミングした後に、切り口のそばから新しい芽が生えることが多いです。
そのため最初水槽にアナカリスを入れる時は最低限(お店では5,6本で1束になっていることが多い)だけ買って、あとは水質や水温が極端にならないよう気をつけて環境が整ってくればそれなりの数に増やすことができます。

トリミングで切った場所の近くから新しい芽が出る
ただし増えすぎたら増えすぎたで、
- 水槽内のスペースを取るのでメダカが泳ぐスペースが制限される
- 水槽内の見栄えが悪くなる
- メダカなどの鑑賞がしづらくなる
といったデメリットがあります。

あまり増えすぎると観察しづらいかも
増えすぎに気をつけるのは他の水草も同じですが、特にアナカリスは環境が合えばすぐに成長して増えるので定期的なトリミングは忘れないようにしましょう。
アナカリスの変色と冬の寒さに注意
環境の変化などで変色や溶けることがある
アナカリスは色が変色(薄くなる)したり、葉が溶けたりする場合があります。

アナカリスが変色したり溶けたりする原因は、
- 光量が不足している
- 養分が不足している
- 水温や水質など環境の急激な変化
が挙げられます。
光量や養分の不足は主に室内での話(とはいえちゃんと水槽用の照明を使っていれば問題ない)ですが、特に室内と屋外の両方に水槽を置いている方は室内と屋外でアナカリスを移動したときに水温や水質の変化が大きいため、アナカリスが変色したり溶けたりすることがあります。
変色したり、溶けたりしても脇から新しい芽が出ることもあるのでそちらは育てても良いですが、古い部分は取り除くようにしましょう。
溶けたりした部分をそのままにしておくと腐敗して水質にも影響が出ることもあるからです。

色が薄くなるとは言っても、先端の方は色が変わってないことが多いので、先の方を残してトリミングして色の薄い部分は捨てる、色の濃い先端をそのまま育てていけば問題ないです。
屋外の冬の寒さには弱い

他の水草もそうですが、アナカリスは寒さには弱いです。
室内なら冬でも問題ないですが、冬の屋外では枯れてしまいます。
そのためアナカリスを使う場合は、基本的に室内がオススメです。
もし屋外の水槽にアナカリスを入れる場合も、秋には室内に入れましょう。
屋外の場合は、ナガバオモダカやスイレンであれば冬を越せるので、屋外用の水草を使った方が良いですね。
メダカ飼育の水草といえばアナカリス

- メダカが生存できる環境なら大丈夫
- 成長が早い
- すぐに伸びるぶん、定期的にトリミングする必要がある
- 室内から屋外に移すなど、環境の変化で色が薄くなったり溶けることがある
- 基本的に室内向け(冬の屋外は×)
- 色が薄くなったり溶けた部分はトリミングして捨て、無事な部分を残してそのまま育てる
- 寒さには弱いので屋外の場合、冬が来るまでには室内に入れる
とりあえずメダカ水槽に入れる水草は、困ったらアナカリス一択でも良いくらいです。
簡単には枯れませんし、成長も早いですからね。
育てやすいという点では、初心者でも扱いやすい水草ですので、水草選びに困っている人はとりあえずアナカリスから始めてみましょう。