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HSPのりょうたです。
最近HSPの情報収集などをする中で、特にSNS上でよく見かけるのが『AC(アダルトチルドレン、アダルトチャイルド)』という概念。(以下ACで表記しています)
プロフィールを見ると、HSPとACをセットで使っている人も多く見られます。
HSPの人、ACの人を観察していると『生きづらさ』がついて回っている印象ですが、そもそもHSPやACは生きづらいのか?
また、HSPとACは同じなのか違うのか?
そんなことを今回の記事でまとめました。
なお今回の記事におけるACの話は、 アダルト・チャイルドが自分と向きあう本 という本を参考にしています。
HSCとACの定義の違い
HSP(Highly Sensitive Person)あるいはHSC(Highly Sensitive Child)とは、環境感受性がとくに高い人たちを表すカテゴリもしくはラベルです。そのため、HSPは「生きづらさ」を表すラベルではなく、「良い環境と悪い環境から、良くも悪くも影響を受けやすい人」として理解されています。
HSPとは|研究にもとづくHSP情報サイト
アダルト・チャイルド(AC)とは、もともとアメリカで「アルコール依存症の親のもとで育った人(アダルト・チャイルド・オブ・アルコホリオリクス)」をさした言葉です。依存症者の子ども(チャイルド・オブ・アルコホリクス)が大人になったとき、その生き方に共通の苦しさや不自由さをかかえていることが注目され、大きな共感を呼んだムーブメントになったのです。
アダルト・チャイルドが自分と向きあう本
HSP
環境に影響されやすい人(環境感受性の高い人)
AC
アルコール依存症の親の元で育った人

現在ACはアルコール依存症に限らず、いわゆる『機能不全家族』で育った人や親に過度に抑圧されて育った人も指すようになりました。
言及はされていなかったですが、『毒親』も近い?
機能不全家族とはストレスが日常的に存在している家族状態のことです。主に親から子どもへの虐待・ネグレクト(育児放棄)・子どもに対する過剰な期待などの様々な要因が家庭内にあり、子育てや生活などの家庭の機能がうまくいっていない状態です。
機能不全家族とは?影響を受けるとアダルト・チルドレンになる?原因、相談先や家族の立て直し方をご紹介|発達ナビ
もちろんどういう悩みや苦しみがあるかは場合によっては似てくる部分もありますが、どういう人を指すかについては全然違いますね。
HSPの場合は『生きづらい人』という誤解をしている人も多いですが、実はHSPと生きづらさに本来はそこまで関係なかったりもします。
ちなみにACは、子どもが取る行動や役割によって次の5つに分類されることもあります。
ACの種類 | 立ち位置 | 役割の詳細 |
---|---|---|
スーパー・チャイルド | 優等生・家族の誇り | 「優秀ないい子」「しっかりした子」でいることで、なんとか評価されようと頑張る。家族の期待を一身に背負った役割 |
スケープゴート | 問題視・いけにえ | 家や学校で何かとトラブルを起こす。攻撃的にふるまうことで自分の存在を主張している |
ロスト・チャイルド | いないふり・忘れられた子・仲間はずれ | 褒められるわけでも問題を起こすわけでもなく、目立たない子供。すみっこでひっそりしていることで自分を守る |
クラウン・マスコット・ファミリペット | 道化師・甘えっ子 | おどけた態度やかわいいしぐさで家族の緊張をやわらげ、場を和ませる役割を演じる。争いを回避し、皆に笑ってもらおうと気を配る |
ケアテイカー・プラケイター | お世話焼き・なだめ役 | トラブルが多い家庭の中で親の面倒を見たり、親が起こした問題の後始末をしたり、グチや相談を聞くなどカウンセラーのような役割を演じる |
HSCとACの違い
HSP
- 基本的に先天的(後天的な要素と半々)
- HSPの要素として脳や神経も関係する
AC
- 家庭環境に起因する(後天的)
- 脳や神経は無関係(立証されてない)
HSPは遺伝の要素があるため先天的なものとされています。

厳密には生まれ育った環境も関係するため、全部が全部先天的でもないですが。
一方のACは『家庭環境』(家庭内の問題)』によるため、HSPとは違いACは完全に『後天的』な話になります。
逆に言えば良い家庭環境で育った場合は、ACになることはほとんどないと考えられます。
HSPの場合でも家庭環境に関する話が論文中などで出る場合もありますが、あくまでメリットとデメリットの両方を説明しているので、HSPについては環境次第で良くもなり悪くもなるといったところです。
HSPとACの関連はない
Twitterなどを見てると『HSP』と『AC』をセットにしている人も多いです。
ここだけ見ると、

HSPの人はACにもなりやすい?
(逆もしかり)
と思いましたが、HSPの研究者の飯村周平さんによるとそもそもHSPとACの関連性について言及した研究は今のところないそうです。
概念として単体で考えるぶんには良いので、現状HSPとACは別々に考えた方が良さそうですね。

もちろんHSPに該当して、ACにも該当する方もある程度はいます。
ただし細かい対処法などはHSPとACでも異なってきますので注意が必要です。
少なくともHSPだからACになりやすい(ACだからHSPになりやすい)というのはないそうです。
ちなみにACは、カウンセリングやセラピーなどを専門的に支援として行っている人や団体もありますが、HSP同様にピンキリな印象もあります。
カウンセリングをお考えの方はカウンセラーのプロフィールや資格はちゃんとチェックしておきましょう。
心理学系で言うと、『公認心理士(国家資格)』か『臨床心理士』を持っているカウンセラーは安心です。
今のところ、HSPやACに特化した国家資格や公的な資格はありません。
まとめ。HSPとACは違うもの
- HSPは環境に影響されやすい人、ACはアルコール依存症の親や機能不全家族のもとで育った人を指す
- HSPは先天的な要素が強いが、ACは『家庭環境』が必ず絡むため後天的な話
- HSPだからACにもなりやすいという傾向はない(そもそも関連が立証されてない)
- HSPは環境次第でメリットにもなるが、ACは基本的にはカウンセリングやセラピーで改善させていくことが多い
確実に言えることは、HSPとACは表面上似ている部分もありますが概念としては全く違うものということ。
そのためアプローチや改善の仕方もHSPとACでまるっきり違ってきます。
HSPとACを混同せず分けて考えましょう。
