HSPのりょうたです。
最近はHSPの知名度も上がってきた感じはあって、SNSを見ててもHSPを名乗る人が増えてきた印象です。
それ自体は嬉しいのですが見てて引っかかるのは、
- HSPだから生きづらい
- 生きづらさの正体はHSPでした
みたいなことをたまに見かけることで、すごくモヤモヤした気持ちになります。
僕も昔は生きづらさを感じてはいましたが、最近になって考えると当時の生きづらさはHSP以前に周りの環境や人が悪かったです。
逆に言えばHSPだろうと環境や周りの人が適切であれば生きづらさを感じることは少ない。
僕はそう思っています。
目次
HSPが生きづらいと言われている理由
少数派だから
HSPに該当する人は2~3割と言われているため、割合も多くはありませんし確かに少数派と言っても良いです。
その中で「世の中は多数派に合わせているから少数派の人には生きづらい」という理屈もありますが、HSPは病気ではなく特性なので、HSPだから特別何かというのはないです。
例えば同じような少数派として『左利き』もあります。
実は僕も左利きで、例えば電車を使うときの駅の改札で切符を入れるなどする場所が右にあったりで右利きを想定されているものが多いです。
ただそういうのを見て生きづらいか?と言われると…微妙ですね。
この辺は本人次第ですが、少数派であることと生きづらさは別次元な印象です。
ストレスが溜まりやすい(鬱になりやすい)
HSPは職場でうつになりやすい
そのようなエビデンスはありません。「HSPだから職場でうつになる」というのは、HSPについての偏った見方です。環境感受性の理論にもとづけば、感受性が高い人は、良い職場環境からも悪い職場環境からも影響を受け取りやすいというだけです。その点で、「環境の調整をできるかどうか」がメンタルヘルスにとって大事といえるかもしれません。
現段階で研究においてHSPと鬱の関連性は認められていません。
そのため「HSPだから鬱病になりやすい」というのは、まだ確信が持てる話ではありません。
実は僕も派遣事務として働いていた頃に鬱病寸前までいったことはありましたが、あれも結局は職場環境や人間関係の問題でした。
あの環境であれば僕がHSPでなかったとしても同じような目に遭った可能性が高いです。
もし職場で鬱病になったもしくはなりそうという方は、HSPではなく職場環境や会社がそもそもブラック企業でないかを疑ってみましょう。
疲れやすい(気疲れしやすい)
HSPは音や匂いなど五感の刺激に敏感なため、それらの刺激にさらされることでHSPでない人と比べて疲れやすいというのはあります。
ただしこれも結局は工夫次第です。
僕もHSPですが最近、特にフリーランスになってからは仕事環境やスケジュールなど諸々を自分でコントロールできるようになりました。
おかげで疲れそうと思ったら仕事を抑えるなども可能です。
逆に会社員の時は、会社を転々としましたが各会社ともブラック企業だったので、環境が劣悪でした。
そりゃ一部のタフな人を除けば、誰だって疲れますよね…。
HSPだから疲れやすいというのは多少はありますが、仕事面や生活面を工夫することでHSPでも疲れずにパワフルに活動することは可能なのです。
生きづらさの原因は他にある
「HSP=生きづらい人」というのは不正確な見方です。HSPは「生きづらさ」のラベルではありません。もし「生きづらさ」が強く、日常生活に大きな支障をきたすようであれば、うつ病や不安障害などの傾向がないか、発達障がい(ADHD・自閉スペクトラム症など)の傾向がないか、をまずは調べたほうがよいと思われます。そのうえで、どのような環境調整をすれば「生きづらさ」が改善するのかを考えましょう。「生きづらさ」にHSPという名前がつくことで一時的な安心感が得られるかもしれませんが、より大切なのは気質を踏まえた環境の調整(周囲の人からのサポートも含む)です。
Media&Evidence Japan Sensitivity Research
結局のところ、生きづらさの根本的な原因はHSPではなく発達障害やうつ病など別にあることが多いです。
僕もHSP交流会を開催したり、生きづらさに関するコミュニティにも所属しているので生きづらさを抱えている方はたくさん見てきています。
そして、ほとんどの人が
- 発達障害や精神疾患を抱えている
- 勤めている職場の環境が劣悪(ブラック企業)
- 家庭環境が劣悪(今は良好でも幼少期が劣悪だった)
のいずれかでした。
逆に言えば、HSPでも僕みたく仕事環境(職場環境)が良好であったり、家庭環境が良好であればほとんど生きづらさを抱えずにすみます。
あなたの感じる生きづらさ、もしかしたらHSPとは別に原因があるかも。
環境次第でいくらでも生きやすくなる
環境感受性が高い人たちですので、HSPは「生きづらい人」「弱い人」ではなく、「良くも悪くも環境から影響を受けやすい人」として説明されます。「良くも悪くも影響を受けやすい」ことは、発達心理学において差次感受性(Differential Susceptibility)という枠組みで説明されることがあります(例えば、Belsky et al, 2007)。
HSPブームの今を問う(飯村周平:東京大学・日本学術振興会PD)
HSPについては、
- 繊細
- 疲れやすい
- 五感が過敏
などが世間一般では言われていますが、研究ベースの考え方では『良くも悪くも環境から受けやすい人』とされています。
つまり、
- 良い環境であれば、より良い影響を受けやすい
- 悪い環境であれば、より悪い影響を受けやすい
ということですね。
僕の会社員時代と今が非常に良い例ですが、
- 会社員時代…長時間労働だったりパワハラ的なことが多かったため最悪の環境。仕事のパフォーマンスにも影響し力を発揮しづらかった
- フリーランス…労働時間はいくらでもコントロールできるし、仕事仲間(主に本拠地)も良い人ばかりと恵まれている。会社員の時とは比べ物にならないくらい持っている力を発揮できている
という昔と今の僕です。
結局は環境次第でHSPの面でのデメリットは帳消しにできますし、より人生を楽しくすることができます。
とにかくHSPについては、「いかに自分に合う環境にいられるか(環境を作れるか)」
これに尽きます。
そのために環境を整備したり、作ったり、場所自体を移す(転職など)など選択肢は様々ですけどね。
HSPは生きづらくない
- ストレスが溜まりやすい、疲れやすいなどが言われているが、環境を整えることで軽減できる
- HSPは生きづらさを表すラベルではない
- 環境次第で生きやすくもなるし生きづらくもなる
- HSPは「良くも悪くも環境に影響されやすい人」
これらの理由から僕はHSPだから生きづらいわけではないと考えています。
HSP気質を持っていて生きづらさを感じる人がいるのも事実ですが、よく話を聞くと発達障害や鬱などHSPとは別のところに本当の原因があることが多いです。
本来HSPはネガティブでもポジションでもなく、フラットな物ですからね。
様々なHSPの発信や情報を見てて、どうしても生きづらさなどネガティブな話が先行しがち。
HSPについて希望の持てる情報が増えてほしいし、僕もそういう発信をどんどんしていこうと思います。