りょうたです。
暖かくなってくると、メダカも繁殖の時期に入ります。
単にメダカを飼育するだけなら簡単ですが、繁殖となるとある程度やることはやらないと全然繁殖できないなんてこともあり得ます。
そんな今回の記事では、メダカの産卵から稚魚が大人になるまでの飼育の流れをまとめました。
- メダカのオスとメスの見分け方
- メダカが産卵する時期
- メダカの卵は隔離しないといけない
- メダカの稚魚の扱い方
メダカのオスとメスをそろえる
メダカの繁殖には、まずメダカのオスとメスの両方がそろっていることが必須です。
お店でメダカを購入する場合、ほとんどの場合はお店の方でオスとメスの選別はしません(できません)。
ただしお店によっては網を渡されて自分でメダカを選ぶことができる場合もあるので、そのときはオスとメスの区別のしかたを知っておくと役立つこともあります。

見るポイントは、『背ビレ』と『尾ビレ』
- 背ビレは切れこみがあればオス、なければメス
- 尻ビレは平行四辺形の形ならオス、それに比べて小さい(台形)ならメス
この2か所を見ればメダカがオスかメスかを区別できます。
ただし、尾ビレは形の差がかなり微妙な違いなので、背ビレの切れこみの有無を見た方が確実ですね。
まずは確実にオスとメスの両方がいる状態にしましょう。
ただしオスとメスが両方いても、最終的には個体の相性もかかわってくるので、オスとメスの数がコントロールできるならメスが少し多めにいるとより産卵する確率も上がります。(オスとメスが2:3とか)
メダカの産卵から孵化するまで
春~秋に産卵する
メダカの繁殖の時期は春~秋にかけてで、
- 水温20℃以上
- 日照時間12~13時間(照明でもOK)
この2つを満たしていれば産卵することが多いです。
逆に言えば、室内での飼育なら水温と日照時間を保っていれば冬でも産卵させることは可能です。
具体的な時期は、4月~10月あたりが水温や日照時間が条件を満たしやすいのでこの約半年間にメダカは繁殖します。
加えてエサにも様々な種類があるので、使い分けるのも良いですね。
通常の粉末のエサだけでなく、赤虫やミジンコといった生きたエサや冷凍のエサも栄養価が高いのでオススメです。

メダカは繁殖の時期は普段より体力を必要としているのです。
水草や産卵床を入れておく

メダカは卵を水草に産みつけることが多いです。
特にウィローモスやホテイアオイ(根)は葉や根が細かいので、メダカにとっては特に卵を産みつけやすい場所です。

また、水草の代わりにヒゲノカズラという植物や毛糸などで作った『産卵床』というメダカが卵を産み付けるものを水槽に入れておくのも良いですね。

産卵床の材質や色は様々ですが、水草に比べるとメダカの卵が確認しやすいので、確実にメダカの卵を採取したい方には特にオススメです。
卵は親メダカからは隔離する
そして水草や産卵床に産みつけられた卵は親メダカからは隔離して、別の水槽に移すなどしましょう。
そのまま卵を放っておくと、親メダカが自分が産んだ卵すらも食べてしまうこともあります。
そうなっては繁殖どころではないですよね。
稚魚を育てるための水槽を別に準備するか、親メダカの水槽の中にしきりを作った上で稚魚用のスペースを作るなどしましょう。

卵を隔離するのが難しい場合は、水草を入れておくことで水草が卵や孵化した稚魚が隠れるスペースになります。
それにより、卵や稚魚が親メダカに食べられるリスクを軽減することもできます。

ちなみにメダカの卵は健康なものは意外と弾力があって堅いので、ピンセットでつまんでも潰れることはほとんどないのでその点はご安心ください。
孵化までの日数は水温により変わる
卵が確認できたらあとは孵化するのを待つだけ。
卵が孵化するまでの期間は水温によって変わってきます。
メダカが孵化するまでの日数は『積算温度』という方法で求められます。
毎日の平均気温を合計したもの、これを積算温度という。たとえば、スイカの果実の成熟には一定の日数がかかるが、日数よりもむしろ毎日の気温の累積が重要であり、それは800~1,000゚Cとみられている。つまり、快晴が続いた場合日数は少なくても、累計がこのぐらいの積算になれば成熟に達するとみられている。このように、積算温度は作物の栽培の多くの場面に共通した重要な意味をもつ。
積算温度 タキイ種苗株式会社
農業でも使われている方法ですが、『250÷1日の平均気温=孵化までの日数』でメダカが孵化する日数を計算できます。
例えば25℃の日がずっと続いたとしたら「250÷25℃」で10日となります。

少し難しい考えですが、簡単に言うと1日の平均気温を毎日足していって、メダカの場合は250に達すると孵化するということです。250はあくまでメダカの場合で、ほかの魚だと違ってきます。
基本的には気温(水温)が高いほど、孵化までの日数は短くなりますが、30℃など水温があまり高くなりすぎるとメダカや卵の活動が鈍るので、単に水温が高ければ早く孵化するというわけでもないのです。
逆にあまり水温が低くくても産卵しなくなります。
産卵させる場合は、水温20℃以上が目安になってきます。
メダカの稚魚の育成から大人になるまで
しばらくは稚魚用の水槽で育てる

ここまでしっかりメダカの卵の管理をしていれば、メダカの稚魚も確実に孵化します。
そして孵化した稚魚はしばらくの間は、そのまま稚魚用の水槽で育てましょう。
メダカの稚魚は『針子』とも呼ばれるように針の先のように小さいです。
卵と同じく、稚魚も親メダカに食べられることもありますからね。
稚魚用のエサを与える
稚魚も親メダカと同じくエサはちゃんと与えましょう。
ただし、エサといっても普通のエサでは粒が大きすぎるなどで稚魚が食べることができないので、稚魚用の粒の細かいエサを与えましょう。

もしくは普通のエサを細かくすりつぶしたものでも大丈夫です。
稚魚が大きくなったら大人のメダカと同じ水槽へ
メダカの稚魚にエサを与えて順調に成長すると、早ければ孵化から1ヶ月ほどで大人のメダカに近い大きさに成長します。
ここまで育っていれば、大人のメダカと同じ水槽へ移しても大丈夫です。
またたくさん稚魚がいる場合、同じ時期に孵化した稚魚でも大きさに差が出る場合があります。
そのときにあまりに大きさに差があると、大きい稚魚が小さい稚魚を追いかけまわしたり、食べたりする場合もあります。
可能であれば稚魚でもなるべく同じ大きさ同士で水槽をわけられるとより良いですね。
やり方を覚えてメダカの繁殖にチャレンジ
- メダカのオスとメスをそろえる。ヒレを見れば区別ができる
- 水温20℃以上だと産卵しやすい
- 卵は親メダカとは別の水槽に移す
- 稚魚もしばらくは稚魚用に水槽で育てる
- 稚魚の中でも大きさに差が出てきたら、大きさが近い個体同士で水槽を分ける
この流れややり方を抑えればメダカの繁殖の成功率はかなり上がります。
メダカに限らず観賞魚飼育の醍醐味の一つが、「繁殖して数を増やすこと」かと思います。
メダカを着実に増やすためにも、今回の記事で挙げた繁殖のポイントをしっかりおさえておきましょう。