メダカの屋外飼育にはホテイアオイ

ホテイアオイ

著者:長池涼太

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ある程度、メダカの飼育に慣れてくると『屋外』に水槽を設置する方も出てくると思います。

そんな中で水草に注目してみるとメダカの屋外飼育では「ホテイアオイ」が定番だったりします。

今回はそんなホテイアオイの育て方や注意点について。

メダカの屋外飼育をお考えの方や水質浄化の効果の高い水草をお探しの方は、特にオススメできる水草です。

ホテイアオイの概要

ホテイアオイ
ホテイアオイについて

漢字表記の場合は布袋葵。

ホテイソウ(ホテイ草)やウォーターヒヤシンスとも呼ばれている。

学名:Eichhornia crassipes

ツユクサ目ミズアオイ科ホテイアオイ属の多年生の浮遊植物。

水中ではなく水上に浮くように生育するので、いわゆる浮き草の部類。

南アメリカが原産だが、世界各地に外来種として分布している。

最近は繊維素材としてホテイアオイを活用している例もあり、家具などの材料にもなっている。

ホテイアオイとメダカの関係性

水質浄化の効果が高い

水草は種類にもよりますが水質浄化の効果があります。

その中でも特にホテイアオイは水質浄化の効果が高いです

補足

水草は水中にある硝酸塩や窒素など水質の悪化に応じて溜まっていく物質を取りこんだり養分にします。

その水質浄化能力の高さから、富栄養化した池や湖の浄化にもホテイアオイが用いられたり、その研究がおこなわれているくらいです。

汚れた水ではメダカが育ちにくかったり、最悪メダカが死んでしまうこともあります。

ちゃんと水質を維持することはとても大切です。

根が長くメダカの産卵場所に最適

ホテイアオイの根
細かい根がびっしり

ホテイアオイの大きな特徴の一つが根が長いこと。

水深によっては水槽の底まで届くくらい長いです。

また根の一本一本が細かいので、メダカの産卵場所として最適です。

ホテイアオイの根が黒く、メダカの卵は透明(白っぽい)なので卵があればわかりやすいですね。

ホテイアオイの根
根が黒いのでメダカの卵があるとわかりやすい

産卵場所でなくても、メダカの特に稚魚の隠れ家としても使えますね。

メダカの卵の管理について

ホテイアオイはキレイな花が咲く

ホテイアオイの花
ホテイアオイの花
ホテイアオイの花
ホテイアオイの花

ホテイアオイは順調に育てば、夏(7月~9月)に紫色の花を咲かせます。

基本的には横に広がるように新しい株を増やしていきますが、あるとき株の真ん中からつぼみが伸びてきます。

ホテイアオイのつぼみ
ホテイアオイのつぼみ

つぼみを確認した翌朝には花が咲いていました。

花が咲いているのはおよそ1日だけで、翌日には花はしおれてしまいます。

ホテイアオイは寒さに弱い

ホテイアオイは夏など暖かい季節はよく育ち、数も増やします。

一方で元々亜熱帯地域の植物なこともあって、寒さにはかなり弱いです

気温の目安は20℃~35℃ではよく育ちますが、15℃を下回ると葉が傷みだします。

さらに10℃を下回るようになると、枯死することもあります。

補足

季節関係ないですが、他にも日照不足やアブラムシなどの害虫により枯れる場合もあります。アブラムシについてはホテイアオイを水に沈めてアブラムシを振り払えばアブラムシが取れたり、メダカがアブラムシを食べてくれたりします。

冬越しさせたいときは気温が15℃を下回り始めた段階でホテイアオイを室内にとりこみ、日当たりのいい場所で管理すれば枯れずにすみます。

逆に言えば、ホテイアオイが生育するうえで

  • 暖かめの水温
  • 日照(室内の場合は強めの光)

が必要ともいえます。

光については、室内では強い光は難しい場合もあるので、ホテイアオイは屋外向けです。(冬以外)

ホテイアオイの注意点

繁殖力旺盛で水面を覆いつくすこともある

ホテイアオイ

ホテイアオイは繁殖力が強いです。

よほど水質などに問題がない限り、順調に成長するので水面を覆いつくす勢いで増えることもあります。

水面を覆いつくすまで増えてしまう場合、様々なデメリットがあります。

ホテイアオイが増えすぎると
  • 水面を覆うことで、光がさえぎられて水中の水草が光合成できなくなる
  • 光合成できなくなると、水中の酸素不足につながることもある
  • この2つが原因で他の水草が枯れることもある

意図的にホテイアオイが増えるのを止めるのは難しいですが、最近では『ミニホテイアオイ』という通常のホテイアオイより小さい品種も出回っています。

ミニホテイアオイであればスペースを抑えることができます。

ミニホテイアオイについてはコチラ

ちなみにホテイアオイの増え方は「種子繁殖」と「栄養繫殖」がありますが、水槽内の場合は『栄養繫殖』で増えていきます。

ホテイアオイを増やすにあたって特に何かする必要はなく、ほとんどの場合水質が悪かったり水温が極端でなければ勝手に増えていきます。

ホテイアオイ

横からランナー(葡萄茎:ほふくけい)を出して、新しいホテイアオイがどんどん出てきます。

ホテイアオイ

このとき、茶色く枯れた部分は放置するとドロドロに溶けて水を汚すこともあるので、枯れた部分は取り除きましょう。

ホテイアオイが溶けることについてメーカーの解説動画

根が長すぎて邪魔になることもある

ホテイアオイの根

長い根が特徴的でホテイアオイの成長に伴っても根は伸びますが、あまり長すぎるとメダカなどが泳ぐときに邪魔になったり、泳げるスペースが狭まってしまうこともあります。

メダカのストレスになるので、泳ぐスペースはちゃんと確保したいところです。

ちなみにホテイアオイの根はある程度であれば切っても問題はないので、もしもの時は清潔なハサミで根を切ってしまうのも手です。

少し切るくらいであれば、特に成長などに影響はないのであまりに根が長くて気になる場合は根を切ってしまっても大丈夫です。

ホテイアオイを外へ放流するのは厳禁

ホテイアオイは南アメリカ原産のため、本来日本には生息していない植物です。

そのため川などに放流するのは厳禁です

りょうた
りょうた

メダカは元々日本にいますが、地域差もあるので同じく飼いきれないからといって川などへの放流は厳禁です。他の水草も同じく絶対に川などに放流しないように。

万が一ホテイアオイを放流してしまうと、川を覆いつくす勢いで増えてそこの生態系にも大きな影響を及ぼすこともあります。

また冬は枯れて、枯れたホテイアオイが腐敗をして悪影響があることから『青い悪魔』と呼ばれていることもあります。

アレロパシーに注意

アレロパシーは作物に限らず植物が合成して分泌あるいは揮散される化学物質によって近隣植物の生理現象(発芽、成長、形態形成など)に影響を与える現象です。アレロパシー物質に対する感受性は植物種によって違います。

植物のアレロパシーについて

簡単に言うと、ある植物が発する化学物質によって周りの他の植物の生育に影響を与える現象ですね。

ホテイアオイもこのアレロパシー現象を引き起こすことがあり、水草も種類によっては成長が阻害されることがあります。

ただしこれまでホテイアオイを水槽に入れたことは何度かありましたが、アレロパシーが原因で枯れた水草はありませんでした。

さらにホテイアオイは、世界の侵略的外来種ワースト100にも指定されており、世界的にも脅威の外来種とされています。

あくまで外に出した場合の話なので、普通に家などで飼育下の環境で管理するぶんには問題ないです。

メダカの屋外飼育にはホテイアオイ

ホテイアオイの特徴
  • 室内より屋外向け
  • 水質浄化の効果が高い
  • 根はメダカの産卵場所に最適
  • 暖かい時期はよく成長するが、寒さに弱い
  • 繁殖力がとても高い
  • 侵略性の高い外来種として指定されている
ホテイアオイの評価
育てやすさ
 (4.5)
増やしやすさ
 (4.5)
耐寒性
 (1)
総合評価
 (4)

増えすぎなどのデメリットはありますが、やはり水草として水質浄化の効果が高いのはかなり魅力的ですよね。

特に屋外飼育では水質浄化の効果をしっかり発揮したり、よく育ってくれます。

また、日光が確保できて気温が高ければどんどん育つので、育てやすさ・増やしやすいのも魅力ですね。

屋外でメダカを飼育していて、水草が欲しい方にホテイアオイは良いですね。

メダカ飼育に使える水草はコチラ

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