メダカなどの観賞魚を飼っていると、水槽の中がコケで汚れることがありますよね?
そんなコケを除去、食べてくれる生き物として『石巻貝』がいます。
コケ取り要因として人気のある石巻貝ですが、『産卵』という観点で見たらどうなのでしょうか?
石巻貝の卵は壁に産みつけられる

石巻貝の卵は水槽の壁や岩、水草や流木などにあらゆる場所に産み付けられています。
同じ貝類でも『タニシ』は、卵ではなく稚貝をそのまま生み出すのでタニシとはまるで違う産卵、繁殖をします。
またサカマキガイも産卵はしますが、卵自体は透明なゼリー状なので産みつけられても目立ちません。

あらゆるところに卵を産むので、石巻貝は注意深く観察しましょう。
石巻貝の卵は孵化しない

本来、野生の石巻貝はメダカやタニシと違い、一生を淡水のみで過ごすわけではありません。
石巻貝の場合は、特に孵化したばかりの違いのときは、淡水と海水の混ざった『汽水』と呼ばれる水域で生育します。
そのため通常の飼育環境(淡水)ではほとんど孵化しませんし、万が一孵化したとしても石巻貝の違いは成長できません。
つまり石巻貝を普通に飼うと、水槽で繁殖して数を増やすことはできません。
石巻貝の卵の除去について
石巻貝の卵を食べてくれる生き物はいない
そんなわけでほとんどの場合、石巻貝の卵は孵化しないため産みつけられるとそのままずっと水槽のカベについたままです。
メダカなど他の生物が食べてくれるならそれも良いですが、あいにく石巻貝の卵を食べる生き物はいないです。
こびりついているし、固いですからね。
僕の水槽も、
がいますが、これらの生き物が石巻貝の卵を食べることはありませんでした。
石巻貝の卵はこすって除去するのが確実
そのため、産みつけられた石巻貝の卵をどうにかしたいなら人為的に取り除くしかないです。
ちょっとしたコケくらいであれば指でこすればすぐに取り除けますが、石巻貝の卵はそうもいきません。
スクレーパーを使ってこすると取り除けるのでオススメです。

逆に擦るなど何もせず放置してれば、石巻貝の卵はずっと残り続けます。

イシマキガイが卵を産むかは水質によって変わる?
水槽の水の水質にはいろんな指標がありますが、その中に『硬度』と呼ばれる指標があります。
「硬度(こうど)」とは、水に含まれるカルシウムやマグネシウムなどの量を、炭酸カルシウムの量に換算して数値で表したものです。
水の「硬度」とは何ですか?生活協同組合ユーコープ
いわゆる『ミネラル分』の話で、硬度が高い水のほうが石巻貝には適していて、産卵もしやすいです。
硬度は水槽内に石や砂利が多いと高くなりやすくなります。
逆にソイルや流木が多く、石や砂利が少ない環境だと硬度が低くなりやすく石巻貝が産卵しづらくなります。
ちなみに水質が低pH(酸性)に傾いている場合も、石巻貝にとってはあまりよろしくなく産卵などはあまりしなくなります。(殻が溶けやすくなるため)
硬度については試薬を使うことで測定することができます。
石巻貝を飼うときや水質をちゃんと調べたいかたは、一度使ってみましょう。

水質次第では卵を産ませない工夫も可能ですが、初心者は難しいかも…。
(ガチ勢向け)
石巻貝の卵対策のまとめ
- 石巻貝の卵は水槽のカベなどに産みつけられるため目立ってしまう
- 水槽内(淡水)では石巻貝の卵は孵化せず、そのまま卵がある状態が続く
- 水槽の景観が気になるなら、スクレーパーなどを使って除去するのがオススメ
このように卵(産卵や繁殖)という点で見ると、少し面倒な石巻貝ですが水槽の中のコケを取るということでは一番効果の高い生き物でもあります。
石巻貝は寿命が1年ほどなので、長期に渡っての飼育には向きませんがコケ取りなどで水槽の景観を保つことには優れています。
石巻貝の産卵についてはデメリットがありますが、石巻貝はコケ取りの要員としてはトップクラスの効果がある生き物です。
水槽内をキレイに保ちたいかたにはオススメですね。