茨城大学人文社会科学部法律経済学科の「労働法」の授業にゲスト講師として登壇してきました

著者:長池涼太(ブラック企業研究家)

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2024年12月17日に茨城大学人文社会科学部法律経済学科の「法律学」(担当:松井良和講師)の授業でゲスト講師として登壇してきました。

ブラック企業の影響と新しいキャリアの築き方』と題して、ブラック企業での経験やブラック企業を経た僕のキャリアなどについて大学生に話してきました。

ブラック企業の影響と 新しいキャリアの築き方

ブラック企業とは何か?

ブラック企業とは?

まずは数名の学生にも「ブラック企業ってどんな企業だと思う?」と聞いて回ってブラック企業の認識を確認しつつ、そもそもブラック企業がどんな企業を指すかを改めて確認。学生に聞いても「長時間労働」や「ハラスメント」の話が出ましたが、まさにそれらが常態化しているような企業のことを言いますね。 

茨城県のブラック企業の傾向

茨城県内のブラック企業の傾向
茨城県内のブラック企業情報の一部

次に茨城県内のブラック企業の傾向として、僕が知人やメールマガジンの読者などからいただいた茨城県内のブラック企業情報についての統計データを用いて解説しました。松井講師とも話しましたが、例えば茨城県は日立製作所を筆頭に地域柄として製造業(工場)が多いので、茨城県に限らず都道府県ごとにブラック企業の傾向もあるのではという話も出ました。

りょうた
りょうた

個人で各都道府県の情報をまとめるのは難しそうですが、学生からも指摘はされたので徐々にやっていきたいところですね。なお、茨城県内のブラック企業の傾向については以下の記事でもまとめています。

僕のブラック企業経験談

次の僕自身のブラック企業での経験談として「建設会社」「学習塾」「農業法人」それぞれで経験した長時間労働やパワハラなどについて解説しました。

社長にクズ呼ばわりされた

たとえば塾講師の時は、社長が社員全員に謎のテストをさせて僕含め社員全員が社長の満足いく点数が取れなかったのですが、そしたら答案に「大きなゴミ」「大きなクズ」と赤でデカく書かれました。

また、農業法人においては入社3週間して社長に30分間ノンストップで人格否定・説教を社員の前でされた末に「おまえは価値のない人間だ!」と言われてクビになりました。

ブラック企業を辞めてからのキャリア

シェアハウスでの経験

農業法人をクビになってから転職活動もままならない精神状態でしたが、それ以降に当ブログ涼しく生きるを開設したりブログを通じていろんな人に出会ってきました。その中で大きかった出来事の一つが「シェアハウスへの移住」。茨城県坂東市に半年間住んでいましたが、そこで地域の人やシェアハウスの住人などと交流を重ねることで、徐々に自分に自信を取り戻していきました。

その後知人のつてで運転代行のバイトを1年やった後にフリーランスになりました。

ブラック企業を避ける方法

ブラック企業を避ける方法

最後にこれまでの経験や情報をもとにブラック企業の避け方を解説しました。とはいえ、ブラック企業も年々パターンが増えたり狡猾になっている印象もあるため100%避けるというよりは、ちょっとでもブラック企業に入る確率を下げるという認識の方がいいかもしれません。

僕からは情報収集・OBやOG訪問・面接官の観察の3つをポイントに挙げました。特に面接官に関しては僕が勤めた建設会社や農業法人も面接官の印象が最悪でしたし、実際入社したら面接官だった人にパワハラを受けた経験もあるため面接官が合わなそうなら会社も合わない確率が高いと考えました。

りょうた
りょうた

松井先生の教え子の方でも、「面接官は見た方がいい」とおっしゃってた方がいたそうです。松井先生のゼミや茨城大学の学生でもブラックバイトを経験した人もおり、ブラック企業は決して他人事ではないことをご理解いただきたいです。

学生からいただいた授業の感想

後日、授業を受けた学生からの感想をいただきました。約70名の学生が受講した授業でしたが、その中の一部の感想を紹介します。

 最後のメッセージの部分が印象的だった。日本だと年功序列型賃金の会社が多く、そのため、一つの会社で働くことが良いとされがちである。しかし、長池さんのメッセージでやめることも一つの道だと思った。人生の時間において、仕事は大きな割合を占める。ブラック企業に勤め続けて、心身ともにダメになるよりは、一旦その会社を辞めて、新たな挑戦をすることが重要だと気づかされた。

ブラック企業について、実体験を中心とした非常に興味深く貴重な話を聞くことができ、衝撃を受けるとともに知見が広がった。曖昧なイメージしかなかったブラック企業の実態と、それによる身体や精神への影響を知って恐怖を覚えた。面接の時点で嫌味を言われたりダメそうだと思ったら辞退してもいい、ブラック企業だと思ったらすぐやめてもいいということは、今後の人生に役に立つと思った。ブラック企業から人との繋がりでキャリア形成した経験談は、勇気づけられるものであったと感じた。

まず、長池さんはブラック企業を経験してから、研究家になったこともあり、話すことに説得力があった。長池さんの企業は私が想像していたブラック企業よりも過酷で、労働時間が延びるだけでなく、その人の人格を否定するようなことを行っていた。薬の量をみてもどれだけ大変だったかが明らかであり、退職して、転職することができて良かったと思う。自殺願望まであったのにも変わらず、自分のような人を作りたくないという思いから研究家になり、転職活動を支える仕事を行っていて、とても尊敬できる人だと思った。私もいつどこでブラック労働を強いられるか分からないので「辞めることは逃げではない」とても良い言葉だと思うので、心において働きたいと思う。

今回の講演は、自分が将来の職業選択のことを考えるいい機会になりました。いろいろなブラックな内容を聞いていく中で、どのものも酷いと思いましたが、まだ暴力も残っていることには特に驚きました。「辞めることは逃げではないこと」や「支えてくれる人の大切さ」を学べた良い時間になりました。

ブラック企業は他人ごとではないことや辞めることは逃げではないこと、リアルな体験談に対する共感と衝撃といった感想を多くいただきました。

ブラック企業研究家として学生にブラック企業の実情を伝える意義

ブラック企業の影響と 新しいキャリアの築き方

ブラック企業研究家としてブラック企業の発信を8年やってきましたが、意外にも大学生にブラック企業の話をする機会は意外とありませんでした。一方で多くの大学生は就職するわけで、これからの長い人生を歩んでいくうえでブラック企業に入るリスクや被害を少しでも減らしたいという思いもあります。

これまで茨城大学のように外部でブラック企業の話をする機会がなかなかなかったところから今回の授業の話をいただけましたが、ゆくゆくはもっと規模を大きくした形でより多くの人たちにブラック企業について様々なことを伝えていきたいと思います。

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