こんにちは、りょうたです。
突然ですがあなたは、HSP(Highly Sensitive Person)を知っていますか?
「Sensitive(敏感)」という単語がありますが、簡単に言えば「敏感な人」(もしくは繊細な人)という意味です。
実は僕も、このHSPに該当することがわかりました。
一方でHSPはあまり知られていません。
僕もたまたまTwitterで流れてきたHSPの記事をたまたま見て知ったくらいです。
今回の記事ではHSPがどのようなものかを紹介していきます。
この記事を見て、HSPのことをちょっとでも理解していただければ嬉しいです。
目次
HSPについての概要
HSPとは
Highly sensitive person(以下,HSP)とは,生得的に刺激を感じる閾値が低く,感受性が高い人々のことである(Aron, 1996)。身体の内外における種々の刺激に対して敏感に反応するという HSP の特徴は,強みにもなり得る反面(Aron, 1996),ストレスや抑うつ傾向と正の関連のあることが指摘されている(Benham, 2006;Liss, Timmel, Baxley, &Killingsworth, 2005)。
論文からの引用なので難しく書いてありますが、要は音や匂いといった五感から雰囲気などの諸々の刺激を人一倍感じ取りやすい人のことを言います。
言い換えれば、周りの環境の影響を良くも悪くも受けやすいといったところでしょうか。
アメリカの心理学者のエレイン・N・アーロン博士が提唱した概念で1996年に初めて書籍で出版されました。
そのため、実はまだHSPという言葉が出てから20年ちょっとしかたっていません。(日本に関してはここ数年くらい)
ここで言う敏感とは「光」「音」「匂い」と言った五感にかかわるものから、「雰囲気」「環境」といったものもふくまれます。
感受性が強いという言いかたもします。
よく誤解されますが、あくまで病気ではなく気質(性質)の一つです。
同じカテゴリーでADHDというのもありますが、ADHDは病院で診断を受けたり場合によっては薬を処方されることもありますが、HSPは病院で診断することはありません。
僕は「音」「雰囲気」あたりには特に敏感ですが、特にどれに敏感かは人によって変わってきたりもします。
いずれにしてもこれらの「刺激」にずっとさらされているとすごく疲れてしまいます。
ちなみに子どものHSPはHSC(Highly Sensitive Child)とも呼ばれています。
HSPの定義がある
ここまでHSPの特徴についてあげましたが、少しわかりづらく感じた方もいるかもしれません。
上記とあわせて、HSPの定義もあります。
- 深く処理する(Depth of processing)
- 過度に刺激を受けやすい(being easily Overstimulated)
- 全体的に感情の反応が強く、特に共感力が強い(being both Emotionally reactive generally and having high Empathy in particular)
- ささいな刺激を検知する(being aware of Substle Stimuli)
このように定義づけることもできて、それぞれのアルファベットを一つずつ取って「DOES」と表現する場合もあります。
HSPの定義「DOES」についてまとめています
HSPの特徴
1 身の周りの微妙な変化に結構気づく方だ。
2 周りの人の気分に、左右されやすい。
3 痛みに敏感でガマンできない方だ。
4 バタバタした日が続くと、ひとりきりになれる場所に逃げ込みたくなる。
5 カフェインの影響を受けやすい。(取ると眠れなかったり体調を崩したりする)
ささいなことにもすぐに「動揺」してしまうあなたへ。
主に光、音などの五感にかんするもの、雰囲気、環境についての項目が多いです。
このチェックテストは全部で23の質問があるのですが、僕は18個あてはまりました。
(目安は12個以上あてはまるとHSPの可能性があるとのこと)
加えてさきほどのDOESの4つの要素のすべてに当てはまっていれば、HSPの確率は高いです。
特に今までやった仕事で言うと、ピリピリした雰囲気(緊張感)は大の苦手でした。
例えば誰かが怒られていると、自分に関係ないことでも自分が怒られているような気分になってしまいます。
塾講師のときに、社長が全体会議で暴言をはいていましたが、自分に無関係なことも聞いてて気分が悪かったし、すごい嫌でした。
HSPの分類
HSPには通常のHSPのほかに『HSS』と『HSE』と呼ばれる気質もSNSなどで発信されています。
ここまで挙げた(純粋な)HSPとは少し違う点も出てきますが、DOESなど基本的な気質は共通して持っています。
SNSや書籍では「○○型HSP」などの言葉をよく見かけます。例えば「HSS型HSP」は刺激希求性が高いHSP、「内向型HSP」は内向的なHSPを表すようです。実は、このようなタイプ分けの研究は全く行われていません。こうしたタイプ分けの妥当性も不明です。血液型診断のようにわかりやすいため、流行るのは納得できますが、研究にもとづくものではない点は留意すべきかもしれません。
HSS、HSEについてはエビデンスがないため、参考程度が良いです。
HSP
- 深く処理する
- 過度に刺激を受けやすい
- 全体的に感情の反応が強く、特に共感力が強い
- 些細な刺激を察知する
といった「DOES」の性質を持っていて、内向型なので一人の時間を重要視する傾向があります。
割合は諸説ありますが、HSP全体の7割くらいは内向型とも言われています。
HSS(活動的なHSP)
HSSは『High Sensation Seeking』という正式名称で簡単に言うと、HSPの中でも『刺激追求型』です。
HSPに含まれるので刺激には弱いのですが、その好奇心や活動力の強さから刺激を追い求める側面もあります。
もちろんいい方向に作用することもありますが、刺激を取り入れすぎてより疲れてしまうというデメリットもあります。(この点はHSP全体で共通)
HSE(外向型のHSP)
HSEは『Highly Sensitive Extroversion』という正式名称で、外向的(外交型)・社交的なHSPのことを指しています。
一般的にHSP気質の人の7割くらいが『内向的な』気質と言われているので、HSEに該当する人はかなり限られてきます。
HSEは外向型な気質も入ってくるため、外からどんどんエネルギーをもらうことを重要視しますし、どんどん外の世界に出ていったり、人と積極的にかかわろうとするタイプです。
HSPと気づいたきっかけ
きっかけは同じHSPのなおさんのブログでした。
HSPは混乱してマルチタスクに向かない。その理由と対策HSP才能開発サポーターNAO
マルチタスク(複数のことを同時にこなす)が苦手ということで、派遣事務をやってたときの自分がまさに当てはまったのですごく共感しました。
(他に勤めていた職場でも思いあたる所は多々ありました)
その後、なおさんに教えてもらったHSPのチェックテストをやってみたらかなりの高得点だったので、HSPだとわかりました。
HSPは先天的な気質
HSPは先天的な気質です。
なので生まれもったHSPの気質が後になって大なり小なり表面化することになります。
もちろん、表面化しないとHSPかどうかは確認のしようがありません。
一方で周りの環境が原因でHSP気質がより顕著にでてくることもあります。
僕の場合は、家庭環境に問題はありませんでした。
ただ小さいころ住んでた地域が夜になるとバイクの音がすごくうるさく、当時はそれが怖かった記憶があります。
それもあって僕の場合は、「音」に敏感です。
最近思ったのは、学校の環境も影響があると思うようになりました。
僕の場合、先生や一部の同級生から理不尽に怒られることが多かったのもあり、いつしか無意識のうちに相手に過度に気をつかったり、機嫌をうかがうようになってしまいました。
なので僕の場合は、元々HSPを持って生まれた上でこれらが原因で特に「音」や「人」を過剰に気にしてしまう面も出てきました。
僕の小学校時代とHSPの関係性をまとめました
HSPのデメリットとメリット
デメリット。ダメージを受けやすい
様々なものが刺激になりうる
音や環境など刺激になる要素がたくさんあるので、単純に生活しづらい面は出てきます。
例えば僕の場合は、「音」に特に敏感です。
また、部屋の外のちょっとした音や声が気になることがあります。
大学生のときはけっこうひどくて、当時住んでた学生寮で廊下や隣室など周囲からの小さな物音にかなり神経質になったり動揺したりしました。
あまり寝れないなんてこともあり、けっこうイラつくこともありました。
考えると騒音というレベルでもなかったのですがHSPという体質上、普通の人より過敏に反応してしまう所はありましたね。
音だけの話ではありませんが、たくさんのものが刺激やストレスになるのです。
音に関する悩みはコチラの記事でまとめています
ただし音の刺激についてはイヤーマフやイヤホンなど、刺激の負担を軽減するものも売っているので、そういうものを活用するのも良いですね。
イヤーマフについては僕も実際に買って、効果を実感してます。
イヤーマフについてはコチラ
刺激でいえば音以外にも光や匂いなど本当に様々なので、特に刺激に敏感な人はあっという間に疲れてしまいます。
なので疲れについては、人一倍気をつかう必要もあります。
HSPと疲労についてまとめています
静かな場所など刺激に少ない場所を選べば、だいぶ負担も減ります。
人の言動を真に受けたり影響を受けやすい
他人に何か言われて引きずりやすいのもHSPの特徴ですね。
冗談で言われたことでも、深読みして後々いろいろと考えてしまう。
もしくは会社の仕事でミスをしたときに引きずってしまうとか。
自分がHSPとわかってからは、何か言われても一呼吸おいて「深く考えすぎだな」と考えられるようになりました。
とはいえ、なかなか難しいところです。
また人の言動によっては「なにかしたかな?・・・」と考えこみやすい特徴もあります。
「境界線」という言いかたをすることもありますが、それだけ影響を受けやすいということ。
ときには自分のエネルギーを吸いとる存在(エナジーバンパイア)もいるので気をつけましょう。
エナジーバンパイアについて詳しくはコチラ
このようにHSPならではのデメリットはいろいろとあります。
ただいずれも対策をうつことで、ある程度の負担は軽減することができるので対策をしっかりとしていきましょう。
HSPの対策についてはコチラ
HSPのメリット。人に寄り添える優しい人
相談相手にピッタリ
これはメリットともデメリットともとれますが、人の気持ちに敏感なところもあります。
相手の言っていること、声のトーンなどから、相手の気持ちや機嫌、不安や悩みなどがわかることもあります。
上手くHSPの特性をあつかえれば、相手との関係をより円滑に築くことができます。
また相手の気持ちに敏感というてんでは、相談相手にもってこいですね。
聞き上手な面もあるので、カウンセラーにも向いているかもしれません。
共感性の高さで相手に寄り添う
さらにいわゆる「共感力」も普通の人より高いので、より相手の気持ちに寄り添うこともできます。
ただ一方で相手の雰囲気や気持ちに影響されやすいので、気をつけないと相手の負のエネルギーの影響を受けてこちらも病んでしまいます。
相手の気持ちに寄り添える分、影響され過ぎないようにしたいね
個人的な主観ですが、HSPの人には心優しい人が多い気もします。
独創性がある
愛着が不完全で安全基地をもたない→縛られるものがない→常識を超えた目で見たり感じたり発想したりできる→独創性が生まれる!
HSPの人の7割は内向型だとされています。
そのため一人でいる時間を好む傾向もあります。
ある実験でわかったことは、邪魔が入る事で生産性が下がって、ミスが増える事や、集団が大きいほど、評価懸念や社会的手抜き、生産妨害が起き、よいアイデアを生み出す率が下がる、というものでした。
特に内向型の人はこれを本能的にわかっていることが多く、一人で極度に集中することで独創的なアイデアを生み出しやすくなるというわけです。
例では、アルバート・アインシュタイン、スティーブ・ジョブズなどが挙がっています。
まわりの人に言う or 言わない?
HSPって公言した方がいい?って聞かれますが、 HSPです!とは言わずに、 〇〇が苦手って個別案件で言ってます。 だってさ、HSPって概念まだ浸透してないし、男です!って言ってるのと同じで、概念デカすぎて言われた方も「はぁ、、、で、なんなの?」ってなるでしょ笑
ADHDあたりは世間一般でもある程度知られているので、なんとなくはどういうものかわかる方も多いみたい。
ただHSPについては、まだほとんど世の中に浸透していません。
HSP自体は心理学のカテゴリーに入るようなので、心理学の知識があるかたならHSPを知っているかもしれません。
実際僕も何人かの人に
「HSPって知ってる?」
と聞きましたが、ほとんどの人が知りませんでした。
最近知りましたが、HSPは心理学のカテゴリーにふくまれますが、その心理学を専門に扱うカウンセラーでもHSPを知らない方は意外といました。(ほとんどが産業カウンセラーでしたが、そこだとHSPは扱わないんですかね?)
そのため、ただ単にHSPと言っても通じないので、例えば
「大きい音・声が苦手」
「人混みが苦手」
といったようで、苦手なものを個別に言ったほうが相手にも通じやすいし、考慮してくれるはずです。
いずれにしてもただ「HSP」とだけ言ってもピンとこない人が多いです。
HSPならではの特性を生かそう
以上、HSPについてでした。
最初は半信半疑だったけど、チェックテストをやってみたり今までの人生を思い返すと、HSPだと思い当たることがたくさんありました。
自分がHSPだと思う方。
どうか悲観しないでください。
もちろんHSPであることのデメリットもありますが、それ以上にメリットもあります。
思わぬところで力を発揮するかもしれません。
その他、実際にHSP気質をいろんな方法で活かしている人もいるのです。
HSPでない、もしくはHSPを知らなかった人。
もし友人などでHSPの方やそう思われる方がいたら、全部は理解できなくても可能な限りで考慮してくれると嬉しいです。
HSPと仕事の適性についてまとめた記事も書きました
実際のHSPの人の声
2019年4月から茨城県内のHSPの人へのインタビューを始めました。
やはり実際のHSPの人の話を聞くのが一番手っ取り早いし、説得力がある。
第一弾では僕の友人から話を聞きました。
「ギフテッド」という気質もあわせ持っていますが、双方を上手く活用する生き方をしています。
第二弾では同じくHSPの方の話を聞いてきました。
コチラの方はHSPにおける苦労話が僕と近いところもありましたし、今後のHSPの展望の話については僕も良い意味で刺さりました。
HSPの方向けのオススメ書籍
どうせならHSPを勉強しようと思って購入した書籍です。
書店によってはHSPについての本が全くないところもありました。
カテゴリーでは心理学に分類されるので、書店ではADHDの本といっしょに置かれていることが多いです。
エビデンス的には微妙なところですが、非常に分かりやすいため「入り口」としては良いと思います。
HSP(HSC)のお子様がいるかたには、コチラの本もオススメです。
より学術的な面でHSPを学びたい方は以下もオススメです。
研究に沿った内容なので、信ぴょう性は高いと思われます。