こんにちは、りょうたです。
突然ですがあなたは、HSP(Highly Sensitive Person)を知っていますか?
「Sensitive(敏感)」という単語がありますが、厳密には『良くも悪くも環境に影響されやすい人』と定義されています。
実は僕も、このHSPに該当することがわかりました。
一方でHSPはあまり知られていません。
僕もたまたまTwitterで流れてきたHSPの記事をたまたま見て知ったくらいです。
今回の記事ではHSPがどのようなものかを紹介していきます。
この記事を見て、HSPのことをちょっとでも理解していただければ嬉しいです。

正確性を重視したため少し難し目な部分がありますがご了承ください。
HSPの概要『環境感受性』
HSP(Highly Sensitive Person)あるいはHSC(Highly Sensitive Child)とは、環境感受性がとくに高い人たちを表すカテゴリもしくはラベルです。そのため、HSPは「生きづらさ」を表すラベルではなく、「良い環境と悪い環境から、良くも悪くも影響を受けやすい人」として理解されています。
HSPとは|研究にもとづくHSP情報サイト
おおもとの研究においてHSPは『環境感受性』が特に高い人のことを指しています。
環境からの影響の受けやすさ(感受性)には、一人ひとりにばらつき(個人差)があります。たとえ同じ環境に置かれたとしても、ある人は環境刺激から非常に影響を受けやすく、ある人は影響を受けにくい様子が観察できます。環境には物理的なものに加えて、社会(対人)的なものも含まれます。研究では、家庭環境(被養育経験)やストレスフルなライフイベントなどが、環境として取り上げられることがあります。研究者たちは、このような感受性の個人差を「環境感受性」という概念で説明します。環境感受性は「ポジティブおよびネガティブな環境に対する処理や登録の個人差」として定義される概念です。
HSPとは|研究にもとづくHSP情報サイト
環境感受性というと難しい言葉にも聞こえますが、要は環境に対して影響を受けやすいかどうかといったところですね。
ちなみに子どものHSPはHSC(Highly Sensitive Child)とも呼ばれています。
一般的には『HSP=刺激に疲れやすい』という言い方もされていますが、もっと根幹を言うと、『環境』がキーワードになりますね。
環境感受性の3つの要素

人と環境は切っても切り離せないことから環境感受性は誰もが持っている概念です。
その環境感受性は何によって決まるかは大きく次の3つのポイントがあります。
- 遺伝子型
- 神経生理システム
- 気質・正確
いずれも詳細は、Japan Sensitivity Researchでも紹介されていますので、そちらもご参照ください。
遺伝子
研究段階ではありますが、いくつかの遺伝子の有無や組み合わせが感受性の大小にかかわると言われています。
遺伝子ということでなかなか難しい話ですが、少なくとも環境感受性の高さは遺伝子レベルで決まることは言えるようです。
神経生理のシステム(脳や神経、ホルモンなど)
特にHSP(環境感受性の高い人)は、刺激を受けた時に脳の特定の部位がより活性化することがわかっています。
現段階では、
- 扁桃体(感情)
- 海馬(記憶)
- 島皮質(共感)
- 前頭前皮質(自己制御・実行機能)
などが賦活化(活性化)する傾向があることがわかっています。
ちなみに心理学と脳科学は密接に関わっているそう(HSPの研究者談)なので、心理学を勉強したい人は脳科学も勉強しておくのがオススメですね。
気質・性格(DOESと感覚処理感受性)
遺伝子と神経生理の話は体の内部の話なので、外から見ても分かりません。
逆に気質・性格は外に出るものなので、外から見てもある程度判断はできます。
気質・性格は『感覚処理感受性』という概念を用いて測定されています。
「感覚処理感受性」という概念を用いて研究されています。感覚処理感受性が高い人は、刺激に対して、深い認知的処理、圧倒されやすさ、情動・共感的な反応の高まり、気づきやすさ、などの特徴があるとされています(Greven et al., 2019)。感覚処理感受性は、心理尺度によって測定できます。
HSPとは|研究にもとづくHSP情報サイト
ちなみに感覚処理感受性の高い人の特徴である、
- 深い認知的処理
- 圧倒されやすさ
- 情動・共感的な反応の高まり
- 気づきやすさ
はHSPの一般書籍でも書かれているHSPの4つの要素『DOES』のことです。
研究においてはこのDOESに加えて、
- 生活に変化があると混乱しますか?(易興奮性)
- 大きな音や雑然とした口径のような強い刺激がわずわらしいですか?(低感覚閾)
- 微細で繊細な香り・味・音・芸術作品などを好みますか?(美的感受性)
といった観点からも感覚処理感受性を測定しています。
HSS、HSEといった分類に根拠はない
HSPには通常のHSPのほかに『HSS』と『HSE』と呼ばれる気質もSNSなどで発信されています。
ここまで挙げた(純粋な)HSPとは少し違う点も出てきて、DOESなど基本的な気質は共通して持っているそうですが…。
SNSや書籍では「○○型HSP」などの言葉をよく見かけます。例えば「HSS型HSP」は刺激希求性が高いHSP、「内向型HSP」は内向的なHSPを表すようです。実は、このようなタイプ分けの研究は全く行われていません。こうしたタイプ分けの妥当性も不明です。血液型診断のようにわかりやすいため、流行るのは納得できますが、研究にもとづくものではない点は留意すべきかもしれません。
Media&Evidence Japan Sensitivity Research
HSS、HSEについてはエビデンス(研究実績)がないため、あまり鵜呑みにしない方が良いです。
HSSやHSEについて細かに発信しているブログやYouTubeなどの情報は質が悪いです。
もちろんカウンセリングで得たデータも重要なのですが、結局はおおもとの論文など研究の知見があってこその話です。
HSPと気づいたきっかけ
きっかけは同じHSPのなおさんのマルチタスクに関するブログ記事でした。
マルチタスク(複数のことを同時にこなす)が苦手ということで、派遣事務をやってたときの自分がまさに当てはまったのですごく共感しました。
(他に勤めていた職場でも思いあたる所は多々ありました)
その後、なおさんに教えてもらったHSPのチェックテストをやってみたらかなりの高得点だったので、HSPだとわかりました。
HSPは遺伝と環境が半分
HSPは先天的な要素もあるといわれていて、おおよそ半分は遺伝ともいわれています。
環境感受性は遺伝的な要因によっても形成されますが、すべてがそれで決まるわけではありません。最新の研究では、環境感受性の気質的側面である感覚処理感受性は、約47%が遺伝で説明されることが報告されています(Assary et al., 2020)。残りの約50%は、生育環境によって決まるといえます。したがって、親がHSPでも、その子どもがHSCになるとは限りません。
HSPについてのQ&A|研究にもとづくHSP情報サイト
なので生まれもったHSPの気質が後になって大なり小なり表面化することになります。
もちろん、表面化しないとHSPかどうかは確認のしようがありません。
一方で周りの環境が原因でHSP気質がより顕著にでてくることもあります。
僕の場合は、家庭環境に問題はありませんでした。
最近思ったのは、学校の環境も影響があると思うようになりました。
僕の場合、先生や一部の同級生から理不尽に怒られることが多かったのもあり、いつしか無意識のうちに相手に過度に気をつかったり、機嫌をうかがうようになってしまいました。

高校は楽しかったですが、小学校~中学校は神経すり減らしてました…。
なので僕の場合は、元々HSPを持って生まれた上でこれらが原因で特に「音」や「人」を過剰に気にしてしまう面も出てきました。
このように、遺伝の要素もありつつ幼少期の環境もHSP気質が表面化するかに関わってきます。
HSPのデメリットとメリット
デメリット。ダメージを受けやすい
様々なものが刺激になりうる

音や環境など刺激になる要素がたくさんあるので、単純に生活しづらい面は出てきます。
例えば僕の場合は、「音」に特に敏感です。
また、部屋の外のちょっとした音や声が気になることがあります。
大学生のときはけっこうひどくて、当時住んでた学生寮で廊下や隣室など周囲からの小さな物音にかなり神経質になったり動揺したりしました。
あまり寝れないなんてこともあり、けっこうイラつくこともありました。
考えると騒音というレベルでもなかったのですがHSPという体質上、普通の人より過敏に反応してしまう所はありましたね。
音だけの話ではありませんが、たくさんのものが刺激やストレスになるのです。

とは言いつつ、HSP以外に原因がある可能性もあります。
例えば音など五感の敏感さは発達障害(ASD)でも見られますからね。
ただし音の刺激についてはイヤーマフやイヤホンなど、刺激の負担を軽減するものも売っているので、そういうものを活用するのも良いですね。
イヤーマフについては僕も実際に買って、効果を実感してます。
刺激でいえば音以外にも光や匂いなど本当に様々なので、特に刺激に敏感な人はあっという間に疲れてしまいます。
なので疲れについては、人一倍気をつかう必要もあります。
静かな場所など刺激に少ない場所を選べば、だいぶ負担も減ります。
人の言動を真に受けたり影響を受けやすい
他人に何か言われて引きずりやすいのもHSPの特徴ですね。
冗談で言われたことでも、深読みして後々いろいろと考えてしまう。
もしくは会社の仕事でミスをしたときに引きずってしまうとか。
自分がHSPとわかってからは、何か言われても一呼吸おいて「深く考えすぎだな」と考えられるようになりました。
とはいえ、なかなか難しいところです。
また人の言動によっては「なにかしたかな?・・・」と考えこみやすい特徴もあります。
「境界線」という言いかたをすることもありますが、それだけ影響を受けやすいということ。
ときには自分のエネルギーを吸いとる存在(エナジーバンパイア)もいるので気をつけましょう。
このようにHSPならではのデメリットはいろいろとあります。
ただいずれも対策をうつことで、ある程度の負担は軽減することができるので対策をしっかりとしていきましょう。
HSPのメリット。人に寄り添える優しい人
相談相手にピッタリ
これはメリットともデメリットともとれますが、人の気持ちに敏感なところもあります。
相手の言っていること、声のトーンなどから、相手の気持ちや機嫌、不安や悩みなどがわかることもあります。
上手くHSPの特性をあつかえれば、相手との関係をより円滑に築くことができます。
また相手の気持ちに敏感というてんでは、相談相手にもってこいですね。
聞き上手な面もあるので、カウンセラーにも向いているかもしれません。
共感性の高さで相手に寄り添う

さらにいわゆる「共感力」も普通の人より高いので、より相手の気持ちに寄り添うこともできるかもしれません。
ただ一方で相手の雰囲気や気持ちに影響されやすいので、気をつけないと相手の負のエネルギーの影響を受けてこちらも病んでしまいます。
まわりの人に言う or 言わない?
ADHDなどの発達障害は世間一般でもある程度知られているので、なんとなくはどういうものかわかる方も多いみたい。
ただHSPについては、まだほとんど世の中に浸透していません。
HSP自体は心理学のカテゴリーに入るようなので、心理学の知識があるかたならHSPを知っているかもしれません。
実際僕も何人かの人に

HSPって知ってる?
と聞きましたが、ほとんどの人が知りませんでした。
最近知りましたが、HSPは心理学のカテゴリーにふくまれますが、その心理学を専門に扱うカウンセラーでもHSPを知らない方は意外といました。(ほとんどが産業カウンセラーでしたが、そこだとHSPは扱わないんですかね?)
そのため、ただ単にHSPと言っても通じないので、例えば
大きい音・声が苦手
人混みが苦手
といったようで、苦手なものを個別に言ったほうが相手にも通じやすいし、考慮してくれるはずです。
いずれにしてもただ「HSP」とだけ言ってもピンとこない人が多いです。
HSPならではの特性を生かそう
以上、HSPについてでした。
最初は半信半疑だったけど、チェックテストをやってみたり今までの人生を思い返すと、HSPだと思い当たることがたくさんありました。
自分がHSPだと思う方。
どうか悲観しないでください。
もちろんHSPであることのデメリットもありますが、それ以上にメリットもあります。
思わぬところで力を発揮するかもしれません。
その他、実際にHSP気質をいろんな方法で活かしている人もいるのです。
HSPでない、もしくはHSPを知らなかった人。
もし友人などでHSPの方やそう思われる方がいたら、全部は理解できなくても可能な限りで考慮してくれると嬉しいです。
実際のHSPの人の声
2019年4月から茨城県内のHSPの人へのインタビューを始めました。
やはり実際のHSPの人の話を聞くのが一番手っ取り早いし、説得力がある。
第一弾では僕の友人から話を聞きました。
「ギフテッド」という気質もあわせ持っていますが、双方を上手く活用する生き方をしています。
第二弾では同じくHSPの方の話を聞いてきました。
コチラの方はHSPにおける苦労話が僕と近いところもありましたし、今後のHSPの展望の話については僕も良い意味で刺さりました。
HSPの方向けのオススメ書籍


どうせならHSPを勉強しようと思って購入した書籍です。
書店によってはHSPについての本が全くないところもありました。
カテゴリーでは心理学に分類されるので、書店ではADHDの本といっしょに置かれていることが多いです。
写真は一例ですが、HSPが知られるにつれてHSPについての本も増えてきました。
入門編、子ども向け、学術向けなど様々なパターンの本があるので、あなたに合う本も必ずあるはずです。
