著者:長池涼太(ブラック企業研究家)
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冬真っただ中ですが、毎年冬になると思い出すことがあります。
塾講師をやっていた2014年の冬のある日が茨城県内で大雪だったのですが、会社から出勤命令がくだりました。
その日の授業が車で3,40分と遠い場所だったので、
マジかよ…
と思いました。
大雪で自分の車が出せなかった
2014年塾講師時代の話。10年に1度クラスの大雪で「そもそも出勤できるのか?」と思っていました。
奇跡的に出勤できた
そもそも車が雪でがっつり埋まっているし、家のまわりはどれが道かわからないくらい真っ白。なので車を出すのも難しいし事故りそう…。駅まで歩いて電車とも思いましたが、徒歩で行くとまず駅までかなりの時間がかかる。
という状況で、たまたま父が休みで車は出せた+装備が万全だったので父の車で昼の授業がある教室まで送ってもらいました。ちなみに普段は30分くらいで行ける道のりでしたが、このときは雪の関係で1時間ちょっとかかりました。
先輩が送ってくれた
日曜日だったので昼の授業を一応やりましたが、出席した生徒は半分くらい。さらに問題はそのあとで、2時間後に別の教室の授業があったのですが、電車で行くとそもそも遅延してるので間に合わない可能性が高い。
と困っていたら昼一緒に入ってた先輩が、手前の駅までは時間的に車で送れるとのことだったので、そこまで送ってもらいました。その駅からは電車で行けて、なんとか授業が始まる30分前に次の教室につきました。
先輩に感謝。先輩の送迎がなかったら翌日が地獄でした。(後述)
他の塾はほとんど臨時休業
2コマ目もやはり生徒は半分しか来なかったので、普段より緩めに授業やりました。さすがにこの日は残業はやらず、片づけやそうじをやってすぐに教室を出ました。ちなみに教室から駅までは少し歩いて、その間にいくつか学習塾はあったのですが、その日営業してた塾はうちだけでした。
塾どころか店という店が営業してない…
電車は遅延はありつつ、動いてたので帰りは水戸駅まで電車。塾講師時代、唯一の電車通勤でした。ただ、問題は翌日の本社での全体会議でした…。
大雪で出勤できなかった人が会議で吊るし上げられた
大雪の中、授業をこなして翌日が本社での全体会議でした。聞いたところ、数名は通勤ができず授業も臨時休講になったそう。
社長がものすごいブチキレました。
僕が4年間会社にいて、社長が全体会議で社員を罵倒することは多々ありましたけど、その中でも1番と言っていいくらいキレてました。そのあとのことはわかりませんが、出勤できなかった方は始末書を書かされたっぽいです。
大雪の日の会社の出勤対応
出勤時間は柔軟にする(遅刻OK)
まず地方は、車通勤の方が多いですが渋滞によって遅刻の可能性はかなり高まります。もし出勤させる場合は、多少の遅刻は大目に見るなど柔軟な対応が必要です。
特に遠方の方は本当に大変です。
退勤時間を早くする
出勤時間と同じく退勤時間も柔軟にする必要がありますね。この点は特に公共交通機関がからむ問題なので、東京などの会社はより柔軟な対応が必要です。
東京などのように電車通勤がメインであれば、「遅延証明書」などがあれば遅刻扱いにしないことが多いです。ただし茨城のような地方では車通勤が大半なので、少し判断が難しくなり会社ごとの判断になります。
リモートワーク(テレワーク)導入
結局これかなと思います。
もちろん業種や職種によって難しい場合もありますが、もっと多くの企業に浸透してほしいです。
ただし工場の作業員、飲食店みたいに人が直接作業するような仕事だと導入は難しいですね。
塾の場合、授業についてはリモートワークでというのは難しいですが、テキスト作成など授業以外のところはリモートワークでも十分可能です。ネットのセキュリティ面の対策はもちろん必要ですが、それ以上に早急に導入が求められますね。
塾も特に大手は年々ネットにも強くなっているような印象です。
出勤できない場合
いずれにしても出勤が難しい場合は会社に電話などで確認や報告をする必要はあります。自己判断で勝手に遅刻したり、出勤しない場合は「欠勤」扱いになることもあります。
とにかく会社に指示を仰いでみましょう。
就業規則に大雪に関する記載があれば注目
大雪に限らずですが、会社のルールを知るには就業規則を見るのが一番です。
作成した就業規則は、労働者の一人ひとりへの配付、労働者がいつでも見られるように
モデル就業規則 厚生労働省
職場の見やすい場所への掲示、備付け、あるいは電子媒体に記録し、それを常時モニター
画面等で確認できるようにするといった方法により、労働者に周知しなければなりません
(労基法第106条第1項)。
厚生労働省でも就業規則を作ることは必須(常時10人以上の従業員がいる会社)としており、加えていつでも見れる場所に置いておくかパソコン内にデータとして見れるようにしてなければいけません。
つまり、10人以上の社員がいる会社なら
- 「就業規則がどこにあるかわからない」
- 「就業規則がない」
ということはありえないのです。
就業規則には会社のルール全般が書いてあり、会社によっては大雪の日の出勤などについて明記されていることもあります。ただし、僕のいた塾は雪の日についての記述はなかったので、このへんは会社によります。
可能であれば雪に対する備えを
スタッドレスタイヤは必須
当時の僕の一番の反省点はこれですね。雪の日にノーマルタイヤはNG。最近は道路交通法や各都道府県の細則でもちゃんと定められています。
(4) 積雪又は凍結している道路において自動車(二輪のものを除く。)を運転する
茨城県道路交通法施行細則
ときは、雪路用タイヤを用い、又はタイヤにチェーンを取り付けるなど滑り止め
の措置を講ずること。
ただしスタッドレスタイヤやチェーンを使っても絶対安全とは言いきれないので、なるべく雪の日の運転は最低限に抑えましょう。ちなみに今の僕はフリーランスで仕事の場所を問わないのと仕事で車が必須の場面が意外とないので、そもそも雪が降ったら外には出ません。
パソコンとWi-Fiがあれば、だいたいの仕事はできますからね。車の運転が必須ならば、スタッドレスタイヤ・チェーンは必須です。
解氷スプレー
雪の日や寒い日でやっかいなのが、車のフロントガラスが凍ること。運転する方はわかると思いますが、本当に前が見えません。そのため運転する前に解凍する必要があります。
車の暖房を使ってもフロントガラスの氷は溶けますが、どうしても時間がかかります。そんな時に「解氷スプレー」は有効です。スプレーをかければ、すぐに解けて解凍の時間も大幅に短縮できます。
雪用の靴
雪の日に外を歩く場合、雪で歩きづらかったり道が凍結して滑りやすくなってます。転倒してケガをするなんてこともあります。最近は雪道用に滑りにくい靴もありますし、普通の靴にスパイク(滑り止め)をつけることもできますので、怪我防止のためにも用意しておきましょう。
雪かき用のスコップ
雪かきは仕事抜きにしても必須ですね。車をお使いの方は、車の上とかも意外と雪が積もるので、雪かきがあって困ることはないです。駐車場に雪が積もると車の出し入れができなくなるので、雪をどかすためにも必要ですね。
車や電車の迂回路を事前に把握
車通勤の場合、雪の日は立ち往生した車などのせいで大規模な渋滞が発生することがあります。まともに行ったら遅刻する可能性が高いので、普段から渋滞を見越して迂回路をいくつか把握しておくと良いですね。
電車通勤の場合も同じく、振替輸送も活用の余地はありますね。ただしこちらは東京などに限定されますが。
雪で出勤しても良いけど会社も多少は大目に見てほしい
- 大雪だけど出勤するはめに。出勤できなかった人は会議で吊るし上げ
- 出退勤時間を柔軟にする、リモートワークの導入など会社にできること、やるべきことがある
- 就業規則で雪などの自然災害関係の文言がないかチェック
- 車の場合、スタッドレスタイヤかタイヤチェーンは必須
- 雪の日に通勤する場合は電車の振替輸送、車通勤の場合は迂回路を把握すること
大なり小なり仕事に影響が出るので、会社側の「出勤しろ!」という気持ちも分かります。一方で仕事以前の安全の確保はどうなのかなとも思ってます。
出勤できればそれに越したことはないですが、ただ頭ごなしに
- 何が何でも出勤しろ!
- 雪なのに出勤しない奴は人間のクズだ!
ただキレる人は、人として間違っています。社員側も可能な限りの対策は必要ですが、あくまで自然(天気)のことなので、柔軟に温かく対応してほしいですね。