著者:長池涼太(ブラック企業研究家)
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2026年7月21日~8月14日まで水戸生涯学習センターで社会教育主事講習を受講、10月13日に社会教育士の称号をいただきました。


ブラック企業研究家
長池 涼太
ブラック企業において過労死寸前の長時間労働やパワハラを経験。その経験をもとに大学などでブラック企業の実態やブラック企業で壊されたキャリアの再生方法等を解説。
社会教育士とは?

私たちのまち、暮らしには、さまざまな課題が山積しています。たとえば、コミュニティの希薄化、空き店舗が増える商店街、子育てや介護が生む孤立、居場所や出番がない子ども・若者、災害から命を守る防災の備え、国籍の違いや障害の有無などによる分断など・・・。地域全体で、地域の抱える課題を解決し続けていくためには、○地域の課題に対する当事者意識を持って、○より多くの人々や活動が協働しながら、○これまでの経験や学んだ成果を活かし、工夫しながら参加できる地域活動や市民活動を豊かにしていくことが求められています。地域を面白くしたい、新たな人ともっと出会いたい、多様な人ともっとつながりながら活動したい、という前向きな気持ちになれるきっかけが、地域にたくさん存在していなければ、大人も子どもも、そして地域も成長していくことはできません。
このきっかけにあたる取組を、人々の自由で自発的な学習活動を支援する社会教育という分野では、「学び」と呼んでいます。こうした「学び」を社会のいたるところにたくさん仕掛け、豊かな地域づくりへの展開を支援する専門人材が、社会教育士です。
【社会教育士ってなに?】社会教育士制度について:文部科学省
社会教育士とは、地域や社会の中で人々が学び、成長できる環境づくりを支援する専門人材です。文部科学省が定める社会教育主事講習などを修了することで称することができる称号で、学校教育だけでなく、地域活動、企業、NPO、家庭教育など、幅広い分野での活躍が期待されています。
社会教育士は、学習者や地域のニーズを把握し、人と人、組織と組織をつなぎながら、学びの機会や活動を企画・運営します。単に知識を教えるだけでなく、人々が主体的に学び、互いに協力しながら地域や社会の課題を解決していくための環境を整えることが重要な役割です。
教育、福祉、まちづくり、人材育成など、多様な分野で、学びを通じた人づくり・つながりづくり・地域づくりを推進する存在です。
社会教育士になるために社会教育主事講習を受講
社会教育士・社会教育主事の称号を得るためには大きく2つの方法があります。
- 文部科学省が定める「社会教育主事講習」を修了する
- 大学や短大などの「社会教育主事養成課程」で必要単位を修得する
僕のように社会人になっている方は基本的に社会教育主事講習を受講することになります。なお社会教育主事講習を受講の要件は以下のいずれかに該当する方とされています。
2.社会教育主事講習の受講資格(社会教育主事講習等規定第二条参照)
(以下のうちのどれかひとつを充足すれば受講資格があることになります)
社会教育主事・社会教育主事補について:文部科学省
(1)大学に二年以上在学して六十二単位以上を修得した者、高等専門学校を卒業した者等
(2)教育職員の普通免許状を有する者
(3)二年以上社会教育法第九条の四第一号イ及びロに規定する職にあつた者又は同号ハに規定する業務に従事した者
(4)四年以上社会教育法第九条の四第二号に規定する職にあつた者
(5)その他文部科学大臣が前各号に掲げる者と同等以上の資格を有すると認めた者
僕は大卒((1)の要件)の時点で条件を満たしていましたが、受講者の多くが教員や生涯学習課などの行政職員、NPOなどの社会教育に関わる方です。僕が受けた社会教育主事講習は受講者60人のうち50人(8割)くらいが学校の教員、7人くらいが行政職員、僕含めた3人が民間という内訳でした。僕もNPO法人教員支援ネットワークT-KNITで広報を3年半、理事を1年やっており内容も社会教育が絡みます。
どの要件で応募するかによって必要な書類が変わってきて、僕みたく大卒で応募する場合は所定の申込書と大学の卒業証明書でした。
社会教育主事講習で4科目を受講

社会教育主事講習では以下の4科目を受講しました。
- 生涯学習概論
- 社会教育経営論
- 生涯学習支援論
- 社会教育演習
僕が受けた講習は生涯学習概論と社会教育経営論の大半をオンライン(ZOOM)、社会教育経営論の一部、生涯学習概論、社会教育演習を対面で水戸生涯学習センターで受講しました。この辺は会場によってオンラインと対面の比率などは異なるようです。
社会教育士が出る前(令和元年度以前)に社会教育主事の称号を得た人が社会教育士を名乗る場合は、当時はなかった社会教育経営論・生涯学習支援論を新たに受講する必要があります。

僕が受講した講習で使った教科書は以下の4冊。教科書がなくても受講は可能でしたが、あった方が理解は深まりますし、受講後も参考資料として使えます。Amazonや楽天で品切れの場合もあるので、その場合は各出版社のサイトで購入しましょう。
内容自体はそこまで難しくない
そんな社会教育主事講習ですが、教育に関して知見があったりNPO法人などで社会教育に関わる活動をしているとそこで触れた内容も出てくるため、基本的に全然理解できないということはありません。僕も受講していて初めて知る部分もありましたが、T-KNITの活動で触れた内容も多々あったので、内容の理解はそこまで苦ではありませんでした。生涯学習概論など序盤は座学がメインでしたが、後半になるにつれて実習も多くなり、茨城県立歴史館への見学など外に繰り出す機会や様々なワークショップを経験するなどで楽しかったです。

特に教員など教育に関わる仕事をしていたり、大学で教育や地域について学んでいるような方であればその延長線上みたいな内容と思われます。
また単位の認定については会場によりますが、僕が受けたところでは試験はなく各コマのレポートを150字程度で書きました。印象に残ったことは今後の活動にどう生かすかを具体的に書く形だったので、そこまで難しくはなかったです。
スケジュールをおさえるのが大変
受講にあたって大変なのがはスケジュールの調整。今回の講習も7月21日~8月14日までの平日の8時40分~17時30分まで丸々講習だったため、たとえば平日に登壇したり、コンサル・相談等もできませんでした。また、僕はフリーランスなので仕事の調整もまだしやすいですが、受講生の大変を占める教員や行政職員の方にとっては引継ぎや調整もあったりでこの辺がもっと大変だったと思います。ちなみに茨城県はここ数年は県内での社会教育主事講習をあまりやっておらず、茨城県の方は宇都宮大学で受講する方が多かったです。
また、このように社会教育主事講習を受けた知人の中には住んでいる都道府県で社会教育主事講習がやっておらず近隣の件などに出向いて講習を受けた方もいて、地域によっては受験をするにも長距離の移動や宿泊を伴うケースもあるようです。
そのため、公務員・会社員等としてフルタイムで働いているような人で社会教育主事講習を受ける場合は、仕事の日の1か月弱を講習に費やす形になるので、職場等での引継ぎ・調整等が必須です。
社会教育士としての今後
社会教育士は令和に入ってから生まれた称号で、基本的には教員や行政職員が取得するケースがほとんどのため僕みたいな民間の人間が取得するのはまだそこまで多くありません。
そのため社会教育士として僕が今後何をするにしても前例がないものが多くなるでしょうし、僕みたいにブラック企業やキャリア教育を絡めるとなるとより少なくなります。すでにブラック企業やキャリアに関する講演登壇はしていますが、これまでの経験談メインから社会教育の知見も入れてアップデートできればと思います。
社会教育の知見を取り入れたキャリアの講演、ぜひご依頼ください。





