著者:長池涼太(ブラック企業研究家)
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短期離職をしたからと言って人生終わりではありません。
- すぐに仕事を辞めるのはだらしない!
- すぐに仕事を辞めると転職できないぞ!
みたいなことを言われたり、聞いたりしたことはありませんか?
僕もすぐに会社を辞めた経験はあります。でも転職できましたし、今はフリーランスとして生きています。
「どれくらいの期間で辞めたら短期離職か?」は明確な定義はないですが、2~3年を念頭に置いて記事を書いています。
今どき会社をすぐ辞めることは珍しくない
- すぐに会社を辞める
- 会社を転々としている
こういう人って一般的には印象が良くないそうですが、今は会社をすぐ辞める人はそこまで珍しくありません。たとえば厚生労働省が下記のような統計データを出しています。
厚生労働省は、平成31年3月に卒業した新規学卒就職者の離職状況を取りまとめましたので公表します。
新規学卒就職者の離職状況(平成31年3月卒業者)を公表します|厚生労働省
就職後3年以内の離職率は、新規高卒就職者が35.9%(前年度と比較して1.0ポイント低下)、新規大学卒就職者が31.5%(同0.3ポイント上昇)となりました。
高卒・大卒ともに就職後3年以内に離職しているデータが出ており、いずれも3年以内に30%以上が離職しているというデータが出ています。業種によってはさらに数値が上がります。
業種ごとの離職率も同じく厚生労働省が下記のデータを出しています。
- 宿泊業・飲食サービス業は高卒で約60%、大卒で約50%
- 生活関連サービス業・娯楽業は高卒57%、大卒で47%
- 教育・学習支援業は高卒53%、大卒で45%
とおよそ半数以上が3年以内に辞めていることもわかります。
塾(教育・学習支援業)を経験していますが、同業他社を含めて聞いても離職率は他の業界より高そうな印象でした。
サービス業全般は離職率が高いですね。
このことからも短期離職自体は昔と比べてそこまで特別なことではなくなっています。
特にブラック企業は無理に勤め続けるのもリスク
ストレスで体調は簡単に崩れる
特にブラック企業の場合は、長く勤めること自体がリスクにもなります。
- ズルズルと無駄に歳を重ねてしまう
- 体調の悪化、最悪働くことや生活に支障が出ることもある
- 特にストレスや精神疾患関連は一度発症すると長い闘いになる
例えば僕の場合は23歳の時に建設会社で、上司のパワハラが元になってストレス性の過敏性腸症候群を発症しました。
腹痛や腹部の不快感に加えて、下痢や便秘といった便通異常を伴う状態を「過敏性腸症候群」といいます。
過敏性腸症候群|はたもり消化器・内視鏡クリニック
決して生死に関わる疾患ではありませんが「電車やバスなどのようなトイレのない場所に長時間いられない」など、QOLを大きく低下させてしまう疾患です。
発症する原因は、未だにはっきりと解明されていません。しかし近年の研究では、何らかのストレスが加わることでストレスホルモンが脳下垂体から分泌され、その刺激によって腸の運動が悪くなり、過敏性腸症候群の症状が現れるのではないかと言われています。
また、大腸などの消化管運動の異常や生活習慣の乱れなどが重なって発症するとも言われています。
当時も医者から
過敏性腸症候群は基本的に完治しないし、ストレス次第ではいくらでも再発する。
ストレスとの付き合い方がカギになる。
と言われました。
会社が変わってもストレス性の病気は再発する
その後はいかにストレスを溜めないかが重要でしたが、次の転職先の塾では長時間労働によるストレスから過敏性腸症候群を再発してしまいました。
加えて自律神経の障害も生じてしまったため、ひどいときはドクターストップがかかったくらいでした。
今はフリーランスになって体調はだいぶ良くなりましたが、それでもストレスによって腹痛が起こりやすいなどはいまだにあるので、最初の発症から10年以上たった今でも影響が多少なりとも残っているのを実感しています。
長時間労働やハラスメントによるダメージを侮ってはいけない。現に僕もこうして再発してますからね。
短期離職も転職活動で問題ないこともあれば不利なときもある
2か月で会社辞めたけどすぐに内定もらえた
先述の建設会社は体調不良の悪化などもあり入社2か月で辞めました。翌日からすぐに転職活動を再開し、3社の選考を受けましたがそのうちの1つがのちに入社する学習塾でした。
- 1次選考は学力検査(某私立高校の国語・数学・英語の入試問題)と採用担当の人と1対1の面接
- 2次選考は1次と同じ採用担当と社長の2対1との面接
という感じで面接はオーソドックスなものでしたが、前職のことも軽くは聞かれました。辞めたことというよりは業務内容について聞かれたくらいで、あとは大学でやったことなどについての話でした。
結果、割とあっさり内定をいただけた感じもありましたが、特に若いうちはよほど変な辞め方をしない限りは短期離職についてそこまで深く突っ込まれることはなさそうです。
23歳の時の話でしたが、特に20代前半の場合は前職の悪口を言わないことに気を付ければ、短期離職はそこまでネックにならないです。
塾への転職は2011年でしたが、この年と言えば東日本大震災。
加えて2008年ごろのリーマンショックの影響があり若年層の就職率がかなり悪化した時期でもあり、国などが「新卒以外の若者の受け入れも柔軟に!」と呼び掛けていたのも大きかったかもしれません。
言い訳ばかりだと書類選考すら通らない
そんな僕も今はたまに就職・転職の相談に乗ることもあり、その中で短期離職を繰り返してきた人からの相談もあります。面接など「選考が全然通過しない」なんて人もいたりします。そういう人は下記のような人が多い印象です。
- 前職に対する悪口が多い
- 言い訳が多い
だいたいこのどちらかもしくは両方に該当することが多いです。僕も相談に乗るときに面接官になった気持ちで話を聞きますが、やはり悪口や言い訳が多いとどうしても印象が良くありません。
仕事を探している方で選考がなかなか通過できない人は、前職の悪口と言い訳を控えるだけでもだいぶマシになるかもしれません。
面接官だって人間ですからね。いくら前職がブラック企業とは言え、悪口ばかりだと印象はよくないかも。
まとめ
- 新卒だと業種によっては3年以内に半分以上が辞める場合もあるので、短期離職そのものは珍しくない
- ブラック企業に無理して勤め続けると体調面やメンタル面でのリスクがあるので早めに辞めたほうが良いこともある
- とはいえ短期離職ばかりだと選考に通りづらい場合もある
- 選考に通らない主な理由は「前職の悪口が多い」「言い訳が多い」
繰り返しになりますが、短期離職そのものが絶対ダメということはありません。僕もそうですし、そもそも短期離職自体が今は珍しいことではありません。
おそらく今後は短期離職や転職(退職)の回数が増えることはより一般的になると考えられます。
ただし、何も考えずにすぐ辞めても転職活動に苦労することも多いです。すぐに会社を辞めるとしても意図やビジョンを明確にしたうえで辞めましょう。