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アントレプレナーシップ教育はいらない⁉実態を考察してみた

アントレプレナーシップはいらない

著者:長池涼太(ブラック企業研究家)

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茨城県内の起業家や一部の大学、高校などで『アントレプレナーシップ』(起業家精神)というワードが話題になっています。

ある程度盛り上がりを見せているようで学生の起業イベントやアントレプレナーシップ関連のイベントも特に茨城県は増えている印象です。

  • 起業する学生を増やそう!
  • これからは就職より起業!

という思惑もあるようですが、元ブラック企業の会社員の身としてはアントレプレナーシップに対して問題点などが思い浮かびました。

そこで今回の記事ではアントレプレナーシップに対する問題提起を書いています。

記事の内容を簡単にまとめています

アントレプレナーシップとは?求められる背景

  アントレプレナーシップ(entrepreneurship)は,日本語では「起業家(企業家)精神」と訳されることが多く、起業する人に特有の資質であると誤解されがちです。しかし、実際は、新しい事業を創造しリスクに挑戦する姿勢であり、あらゆる職業で求められるもので、精神というよりは「起業家的行動能力」と訳すことが、より基本概念に近いと言えます。

アントレプレナーシップとは|特定非営利活動法人アントレプレナーシップ開発センター

起業家精神」とも言われますが、大学の授業で取り入れられるなど起業に限らず幅広い人に必要な概念として広まりつつあります。

僕の周りでは大学生や一部の教員を中心にアントレプレナーシップ関連で盛り上がっています。

りょうた
りょうた

「新しい事業を創造しリスクに挑戦する姿勢」とありますが、これは仕事をするうえですごく素晴らしい考えだと思います。

アントレプレナーシップは文部科学省や国立教育政策研究所が提唱している「主体的・対話的で深い学び」に個人的には近いものを感じました。

主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善の具体的な内容については,中央教育審議会答申において,以下の三つの視点に立った授業改善を行うことが示されている。教科等の特質を踏まえ,具体的な学習内容や児童の状況等に応じて,これらの視点の具体的な内容を手掛かりに,質の高い学びを実現し,学習内容を深く理解し,資質・能力を身に付け,生涯にわたって能動的(アクティブ)に学び続けるようにすることが求められている。

主体的・対話的で深い学びとは

「起業」と「教育」と違うカテゴリーの話ですが、『主体性』が求められる点は共通する印象です。

僕はゆとり世代でかなり『受け身』な印象があるとされていますが、その反省もあるんでしょうかね?

茨城大学など大学でのアントレプレナーシップ教育の事例

茨城県では大井川知事もMicrosoftやドワンゴの役員などを歴任してきたためか『起業』に力を入れたいようです。

りょうた
りょうた

橋本前知事の頃は学生の起業の話もほとんどなく、大井川知事に代わってからつくばを中心に一気に加速しました。

特に茨城大学では大学のカリキュラムにもアントレプレナーシップを学ぶとしています。

茨城大学では「アントレプレナーシップ教育プログラム」も開講されており、以下の3点をポイントにしています。

  • 新たな価値を創造するため、自分自身の意思で果敢に挑戦する精神
  • 社会が大きく変革する中、失敗を恐れずにチャレンジし、たとえ失敗しても経験をバネに再チャレンジする精神
  • 自ら課題を設定し、様々な立場の人と協調して解決策を考える姿勢と能力
アントレプレナーシップ教育プログラム|茨城大学

現在茨城大学には「人文社会学部」「教育学部」「理学部」「農学部」「工学部」の5つの学部がありますが、アントレプレナーシップは、どの学部に所属していても通常の学部の授業と並行して学べる仕組みになっています。

その中でインターンシップはもちろん、起業家や経営者を招いた授業、ディスカッションなど多様な形で学べる点は、今までの大学の授業では少なかったので良いですね。

りょうた
りょうた

僕が大学生だった2007年~2011年は起業はもちろん、インターンシップもそこまで一般的ではなかったですからね。

また、茨城大学以外にも武蔵野大学では『アントレプレナーシップ学部』が2021年に開校しました。

大学でアントレプレナーシップに関する学部・学科や講座などは今後増えると考えられます。

企業はアントレプレナーシップを受け入れる?課題とデメリット

アントレプレナーシップの問題点

アントレプレナーシップを学んだ学生が増えて、その学生が企業に就職する可能性もあります。

そのときに企業側は『アントレプレナーシップを持った学生』を歓迎するのでしょうか?

大手企業やスタートアップ企業は問題ないでしょうが、日本で大多数を占める中小企業はむしろアントレプレナーシップを嫌っていると僕は考えています

根拠は僕自身が中小企業の勤務経験があったり、これまでいただいた多数のブラック企業情報です。

企業はあくまで言うことを聞く人が欲しい

アントレプレナーシップを持った人はウザい
ほとんどの会社ってこう思ってないですかね?

個人的に一番大きいと思う理由です。

特に僕が勤めたような地方の中小企業や零細企業では若い人が上に意見など何か物申すなどは考えられなかったです。

りょうた
りょうた

大手やスタートアップ企業だと、若いうちから裁量権を与えられるなど主体的に仕事ができ、上司や上層部に意見することも可能みたいですが。

結局は中小企業を筆頭に多くの企業は、アントレプレナーシップなどのような起業家精神や新しいものを創造したり挑戦するよりも、あくまで現状維持を好みます

ちなみに僕がいた某企業では、会議で僕の上司が社長に意見したら危うく左遷されそうになってました。

これを見て僕は「(この会社では)上に意見するのは時間のムダ」と思いました。

りょうた
りょうた

会社からするとアントレプレナーシップを持った人はある意味『脅威』であり『邪魔』ですね。

進路の幅が狭まる?

このようにアントレプレナーシップ教育が企業や地域にどれだけ受け入れられるかは何とも言えません。

アントレプレナーシップ教育を受けた学生の進路としては、明確なデータはないですが見てる限りは『スタートアップ企業』『ベンチャー企業』が多い印象です。

逆に地域に根付いた伝統的な企業への就職は少ない印象でした。

もちろんスタートアップ・ベンチャー企業への就職しか考えてない学生にとっては良いですが、必ずしもそう言う人ばかりではないはず。

進路の多様性は課題かもしれません。

そもそも全員が起業に適性があるわけではない

アントレプレナーシップ自体は起業する人だけが持つ資質や考え方ではなく、あらゆる人に必要な考え方とされています。

ただ、特に茨城県内のアントレプレナーシップ教育を見てる限りは、あくまで将来的な「起業」を念頭に置いているみたいです。

実際茨城県では「茨城県学生ビジネスプランコンテスト」のような高校生や大学生を対象にビジネスや起業に関するイベントやコンテストも増えています。

僕も現在フリーランスなので広い意味では僕も起業をしてはいますが、起業する・フリーランスになることが万人向けとは思っていません

起業を選択肢の一つに入れるくらいは良いですが、アントレプレナーシップ教育が「学生みんなに必要!」みたいな考えは危険だと思ってます。

りょうた
りょうた

という全体を見ての印象。

知人の教員がアントレプレナーシップ教育に関わっていますが、そこは起業一辺倒でもなく「自分で自分の生き方を決定する力を育む」というスタンスでやっているようです。

ただ、なんやかんやで就職よりも起業優先になりそうです。

ちなみにアントレプレナーシップは起業に重きを置いていますが、就職に向けた教育として『コーオプ教育』という教育プログラムも出てきています。

アントレプレナーシップ以上にマイナーな印象ですが、2024年には茨城大学が国立大学で初の導入となるなど今後広まることが考えられます。

以下の記事でコーオプ教育も解説しています。

教育機関、学校教員のアントレプレナーシップの知識やスキルの不足

学校でアントレプレナーシップに関する授業などをやるときに『誰が』やるのか?

茨城大学など大学の場合は、外部から起業家などを招くとのことでそれはそれでいいと思います。

ただし外部の人がアントレプレナーシップを全部教えるのも大変なので、学校の教員がアントレプレナーシップを教えることも考えられます。

また大学だけでなく、高校でもアントレプレナーシップ教育の流れが来ており、令和5年度にはこの年に開校するつくばサイエンス高等学校でもアントレプレナーシップ教育が行われるようです。

ただ、高校などでもアントレプレナーシップ教育の流れが広まっていることを考えると、今後学校の教員もアントレプレナーシップの知見もしくは教員自身もアントレプレナーシップがなければいけない時代が来ると考えられます。

ただ肝心の教員自身が起業の経験があるというのはごく一部だと思います。

学校でアントレプレナーシップを扱うには時期尚早、もしくは教員のスキル不足な気がします。

りょうた
りょうた

そもそも学校の教員がアントレプレナーを持っているかや正しく理解をしているかも怪しいです。

学校の教員(公立学校=公務員)ってアントレプレナーシップと逆の働き方ですから。

アントレプレナーシップ教育のシステムの未整備と実例の不足

アントレプレナーシップも徐々に広まっているとはいえ、まだそこまでメジャーではありません。

そのためアントレプレナーシップ教育の効果もまだ未知数な部分があります。

未知数な部分もある中で、起業というリスクのあることにチャレンジするのは必ずしも良いこととは言えないです。

また、アントレプレナーシップ教育を観察しているとコーオプ教育のような企業での実務経験はあまりつまない印象なので、経験という点ではコーオプ教育に劣るかもしれません。

りょうた
りょうた

そもそもアントレプレナーシップ教育の認知度がまだ低いかもしれません。

アントレプレナーシップは良い概念だけど課題もたくさんある

アントレプレナーシップの解説+問題点
  • アントレプレナーシップは「起業家(企業家)精神」と訳されるが起業する人だけでなくあらゆる職業・人に求められる
  • 大学でもアントレプレナーシップ関連のカリキュラムが増えており、茨城大学のアントレプレナーシップ教育プログラムや武蔵野大学ではアントレプレナーシップ学部ができている
  • 企業は必ずしもアントレプレナーシップを持った人を受け入れはしないのではないか?
  • 企業はあくまで言うことを聞く人が欲しい
  • 起業するのは万人向けではない
  • 学校でアントレプレナーシップを教える人がそもそもアントレプレナーシップを持ってないので、アントレプレナーシップ教育は課題だらけ

アントレプレナーシップ自体は僕もいい概念だと思います。

起業家的な考えも入れることで新しい事業を生み出したり、より挑戦の機会が増えてくると思います。

一方で多くの企業は新しいことや挑戦に対して消極的なのも事実なので、単にアントレプレナーシップを持っているからといって広く会社で受け入れられるとは思えません。

アントレプレナーシップの考え方自体は好きなので、ぜひバランス感をもって今後も推し進めてもらえればと思います。

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