HSPのりょうたです。
僕は過去に様々な会社を転々としてきましたが、その中で一番長く続いたのが塾講師でした。
2011年の11月から2016年の2月までの4年4か月間、塾の会社に勤務していました。
他にやっていた派遣事務(建設会社)は2ヶ月、農業は3週間と働いた期間が短かった仕事もありましたが、そんな中塾講師はそれなりに続けられたなと感じてます。
今回はHSPの観点から、塾講師の仕事について書きました。
ある程度、学校の教員などとも近い点はあるので、HSPで特に教育系の仕事(学校の教員、保育士など)をお考えの方に向けての記事です。
目次
塾講師の主な仕事
- 担当教科の授業
- 保護者面談
- 生徒の成績の管理
- 説明会(資料作成も含む)
- 授業、講習に使うテキスト作成(塾によっては外部から取り寄せる場合もある)
- 業者テストの手配、テスト監督
- 事務作業(料金など。事務担当の人がいればその人がやってくれる)
細かいところは各塾によっても変わってきますが、主な仕事はこんなところです。
教育で言うと、『学校の教員』に近い部分もありますが、塾の場合は多くはそれなりに勉強意欲のある子どもや親が来るので、素行に問題のある子どもが来ることはあまりありません。いわゆるヤンキーとか。
その点では、塾講師の場合は『生徒指導』など勉強以外のことにはそこまで気を遣わなくていい点は学校の教員よりはやりやすい部分もあります。
その代わり、『成績』は学校以上に求められますし、あまり成績が上がらない期間が続くと、生徒がすぐに辞めて別の塾に移られてしまうなんてこともあります。
成績面については学校以上にシビアです。
この辺は、給料やボーナスの査定にも関わりますからね。
HSPと塾講師の相性が良い点
そんな塾講師をHSPである僕は4年間やっていました。
当時はHSPのことは全く知らなかったですが、今思えばHSPを活かすこともできていたし、弱点になっているところもあったなと感じています。
- 持ち前の共感性で生徒や保護者の悩みに寄り添える
- 生徒一人一人の動向を把握しやすい
- 生徒、保護者からみて接しやすい印象を与えやすい
悩める生徒、保護者に共感性の高さを活かせる
HSPの大きな特徴の一つが、『共感性』の高さ。
塾に来る生徒・保護者は、「成績が伸びない」など勉強に関する悩みを抱えて塾に入る人がほとんどです。
そういう人に、いかに寄り添えるかは大きなテーマです。
特に塾に入るときは必ず面談をするので、そこで悩みや現状を聞いてそこで信頼感を得ることが大事になってきます。
「この塾なら大丈夫そう」と思ってもらえるように。
生徒一人一人を見れる
細かいことに気が付きやすい傾向のあるHSPですが、特に集団授業をやっているとより生徒一人一人を見ることが大事になってきます。
- 授業についてこれてるかな?
- クラスになじめているかな?
といった感じですね。
僕も小中学生のときは集団や新しい環境になじむのはすごい苦手でした。
そのため、同じようなタイプの生徒がいればいち早く気がつきました。
気が利くというかいわゆるフォローも大事ですね。
同じような点で、生徒や保護者が求めていることを察しやすいというのも、HSPならではの強さです。
穏やかな印象を与えやすい
HSPの方とネット上だったり、実際に会った印象で言うと穏やかで接しやすい印象を持つことが多いです。
その点で、僕は生徒や保護者から相談を受けたり、面談もわざわざ僕を指名していただくこともありました。
りょうた
特に年配の先生となると怖い印象を与えがちな方も多いようで、その点当時20代半ばだった僕は社内でもほぼ最年少の部類だったので、相談しやすいタイプだったようです。
実際、
保護者
と言って、わざわざ僕に面談を申しこんだ方もいました。
HSPと塾講師の相性の悪い点
- 理不尽な親やクレームに遭遇し、そういうときは人一倍消耗する(まれですが)
- 業界的に厳しめの人が多い印象(会社による)
- ワンマン経営寄りな会社が多い
- 業界的に長時間労働が当たり前になので、体力的な負担が大きい
理不尽なクレーマー(まれですが)
学校だといわゆる「モンスターペアレント」という人が問題になっていますが、塾もいるといえばいます。
ごくまれですけどね。
実際後輩が電話でクレーマー(担当生徒の親)にものすごく詰められたことがあり、何とか上司につなげてその場を収めたこともありました。
料金関係のトラブルが多いですが、ごくまれにこのような理不尽なクレーマーもいるため、もし遭遇してしまうと人一倍消耗してしまいます。
厳しめな人が多い
これは各塾の社風にもよりますが、僕は新卒の就活で茨城県内、県外と多くの塾を見てきましたが、そこで思った印象の一つとして「厳しそうな人が多いな」という点でした。
特に僕の勤めてた塾は古風な社風で、生徒にも厳しめに接するというのは会社の方針でもありました。
普段ほとんど怒ることのない僕ですら、それに従って生徒を怒鳴ったこともありました。
一番怒ったときは、持ってた金属の指示棒を叩きつけて折ったくらいです(笑)
今思うと理不尽な怒り方もあったと思うので、その点は生徒に申し訳なく思うところもあります。
僕自身も怒鳴り声を聞くのはつらいので、自分で怒って自分で疲れるという変な状態でした。
ワンマン経営が多い
これは他の塾から転職した来た人の話を聞いたうえでの印象ですが、良くも悪くも社長の力が強すぎるなと感じました。
僕のいた塾も全社員が出る会議はやりましたが、社長がすべての方針を決めてそれの事後報告。
我々社員は有無を言わさず、それに従うのみでした。
HSPは集団に巻き込まれない、染まらない傾向もあります。
人に対して違和感も感じやすく、その点ではワンマン経営にいわかんだったり居心地の悪さを感じやすいです。
体力的な負担が大きい
塾業界はそもそもの労働時間が長いです。
多くの塾が13時~22時が定時な会社が多いですが、定時で帰れることはほとんどありません。
働き方で言うと、塾業界自体が長時間労働が当たり前だったり休みも法定休日スレスレな会社もあったりで、いわゆる「ブラック企業」は多めです。
僕も一度昼の12時から翌朝4時まで16時間仕事しましたが、翌日体が動かなくなったこともありました。
僕に限らず、常に誰かしらい体調を崩している人はいましたね。
コロナウイルスの影響でオンライン授業が台頭するなどしているので、今後の変化に期待したいところです。
僕も実際にドクターストップがかかるレベルまでは体調を崩しましたからね…。
塾講師をやりたい人に向けて
たまに誤解されることもありますが、塾講師になるために教員免許はなくても大丈夫です。
現に僕も教員免許は持ってないですし、そもそも大学も教育学部ではなく農学部出身です。
そのため生徒や保護者とコミュニケーションが取れたり、教科の知識が備わっていれば最低限ですが問題ないです。
とはいえ、僕のいた会社の7~8割くらいは教育学部で教員免許まで取った人が多かったので、僕みたく教員免許を持たずに塾講師になるのは少数派のようです。
まして、学生時代に塾講師のバイト経験もなかったですから。
HSPの視点で言うと、
- 長時間労働
- 厳しめの雰囲気
- 理不尽なクレーマー
あたりがネックになってきます。
会社にもよりますが、「ブラック企業」なところは他の業種と比べて多め。
一方で
- 生徒の成績が上がる
- 生徒が志望校に合格する
なんてあったときには、すごくやりがいを感じる仕事です。
さらに生徒や保護者から相談を受けることも多々あるので、持ち前の「共感性」を活かす機会は他の仕事と比べて多いです。(HSP全員が共感性が高いとも限らないみたいですが)
やりがいはある、でも体力的な負担は大きい。
一方で、ピンポイントながらHSP気質を活かせる場面がある。
判断は難しいですが、自分にとってメリット・デメリットのどちらが大きいかの判断が重要ですね。
HSPとしてのメリット、デメリットどちらを取るか
- 悩んでいる生徒・保護者にHSPの共感力は役立つ
- 穏やかな印象を与えやすく、信頼感を得やすい
- クレーマー(モンスターペアレント)に遭遇するとすごく消耗する
- ワンマン経営が多いので、それに対し不信感を持ちやすい
- 長時間労働が常態化していて、体力的な負担が大きい
HSPの僕が実際に塾講師をやった体感はこんな感じですね。
デメリットもありますが、個人的には今まで経験した仕事で一番長く続いた(唯一3年以上続いた)ので、まったく向いてないことはないかなと思ってます。
とはいえ体力的な面などは大きなデメリットでもあるので、もちろん一概に言えません。
共感性などのメリットと労働環境面でのデメリット、この2つをどうとらえるかがポイントですね。
今回の記事、塾講師について書きましたが大まかなことは学校の教員や保育士なども同じことがいえるので、そちらに向けても参考になればうれしいです。
↓他の仕事でもHSPとの相性、かかわりを書いてます。