リベンジ退職は危険!会社に仕返ししても得はない理由と正しい対処法

リベンジ退職は危険!会社に仕返ししても得はない理由と正しい対処法

著者:長池涼太(ブラック企業研究家)

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最近「リベンジ退職」というワードをSNSなどで目にするようになりました。

簡単に言うと会社に不満を持った従業員が会社を辞める際に引継ぎをしない、会社のPCのデータを消すなど報復をすることを指します。僕もそうですが会社に恨みを持ちながら辞める人も一定数いるため、報復をする気持ちも理解はできますが、場合によっては会社に実害が生じ、従業員側が訴えられるリスクもあるので、リベンジ退職はオススメできません。

この記事ではリベンジ退職の概要やリベンジ退職をした際のリスクなどを解説しました。

記事の著者
ブラック企業研究家長池涼太

ブラック企業研究家
長池 涼太

職業紹介責任者の資格所持。大学でのブラック企業に関する授業登壇の実績あり。当メディア涼しく生きる運営。

ブラック企業において過労死寸前の長時間労働やパワハラを経験。働き方も正社員からフリーランスまで多様なスタイルを経験。

リベンジ退職とは?

リベンジ退職についてYouTubeでも解説しています。

リベンジ退職とは、職場環境や待遇への不満などを理由に報復的な意図を持った従業員が退職することをいいます。会社を退職するのは労働者としての正当な権利行使ですが、リベンジ退職は、それに加えて会社への報復的な意図を有しているのが特徴です。

急増するリベンジ退職の実態|離職・組織崩壊リスクを防ぐ企業防衛策|企業法務コラム|顧問弁護士・企業法務ならベリーベスト法律事務所

リベンジ退職とは、会社や上司への不満や憎しみから、退職時に嫌がらせをして辞める行為を指します。具体的には、以下のようなケースがあります。

  • 必要なデータを削除する
  • 会社のパソコンからメモリを抜き取る
  • 書類を散乱させて音信不通になる
  • 退職挨拶で嫌味を込めたメールを送る
  • 根拠のないハラスメント訴えをする

ニュースやSNSでも話題になりますが、こうした行為は「最後の抵抗」のように見えて、実際には労働者自身にリスクを跳ね返します。

リベンジ退職が生まれる背景

リベンジ退職が起こる背景には、多くの場合ブラック企業やハラスメント上司との関係悪化があります。長時間労働や理不尽な叱責、パワハラなどで心身を追い込まれた結果、「せめて最後に仕返ししたい」という気持ちが生まれるのです。

僕も、昔農業法人に勤めたときに社長から人前で「おまえは価値のない人間だ」と罵倒されて解雇された経験があります。そのとき強い怒りと屈辱を覚えましたが、それでも「会社を困らせてやろう」という発想には至りませんでした。なぜなら、嫌がらせをしても自分の未来にプラスはないと分かっていたからです。

リベンジ退職のリスク

リベンジ退職は一時的な感情の発散にはなるかもしれません。しかし、以下のようなリスクがあります。

  • 業務妨害罪に問われる可能性:データ削除や設備破壊は刑事事件に発展する場合がある
  • 損害賠償請求のリスク:会社が被った損害を数百万円単位で請求される可能性がある
  • 信用失墜:業界内で悪評が広まり、再就職が難しくなる
  • 被害者から加害者への逆転:パワハラ被害者であっても、嫌がらせで立場が逆転してしまう
  • 将来の裁判で不利になる:自分がハラスメントを訴えたとしても、リベンジ行為があれば信頼性が低下する

たとえば信用失墜に関しては業界にもよりますが、僕が勤めた塾業界では同業他社への転職が非常に多かったので、それに関連して他社の情報やそこで勤めている人の情報も噂レベルですがかなり入ってきていました。また、知人によるとIT業界も同じ感じだそうです。

また、データの削除等も場合によっては会社の業務に悪影響が出る可能性もあるためそうなると訴えられても文句を言えないところもあります。

このように仮に裁判を起こしたとしても、結局「どっちもどっち」と見られてしまい、正当な訴えや主張が弱まってしまいます。

りょうた
りょうた

そう言う僕もブラック企業である元職場をSNSでも批判はしていますが、会社名は出さなかったり会社が特定されるような情報は出さない点は細心の注意を払っています。

リベンジ退職の代わりに取るべき正しい行動

リベンジ退職を選ぶより、以下のような正しい方法で対応する方が未来につながります。

  • 労働基準監督署や労働局に相談する
  • 弁護士や労働組合に相談し、法的に対応する
  • 退職代行サービスを利用して安全に辞める
  • 記録(録音・メモ)を残し、必要に応じて証拠として提出する

こうした方法なら、法的リスクを避けつつ、自分の権利を守ることが可能です。例えば僕の知人の中には労働局の「あっせん」という制度を活用し、賠償金を勝ち取った例もあります。労働基準監督署や労働局も動かないとは言われていますが、準備を怠らなければしっかりと対応してくれます。

また、最近では退職代行も台頭して起きており、退職を希望しているのに話が通じないような会社に対しても適切に対処して退職ができます。ただし、退職代行の中には弁護士や労働組合ではなく民間企業が運営している業者もありますが、民間企業は原則会社との「交渉」は法的にNGで、交渉すると非弁行為に当たることもあるので注意しましょう。退職代行はあくまで最後の手段ととらえ、もし使うとしても弁護士もしくは労働組合が運営する業者を選びましょう。

りょうた
りょうた

退職代行はあくまで最後の手段と考えましょう。

退職代行とリベンジ退職の違い

項目退職代行リベンジ退職
定義専門業者が本人に代わって退職の意思を会社へ伝えるサービス上司や会社に仕返しの気持ちを込めて、派手・急な形で退職する行為
主な目的安全かつスムーズに退職する精神的な溜飲を下げる・「見返す」こと
メリット即日退職が可能、直接やり取り不要、精神的負担が軽い一時的にスッキリする、SNSなどで注目されやすい
デメリット費用がかかる、悪質業者も存在評判ダウン、転職に不利、法的トラブルリスク
リスクの大きさ低〜中(業者選びに注意)高(信用喪失・将来キャリアに影響)
向いている人精神的に疲弊していて会社と直接やり取りしたくない人怒りを行動に変えたい人(ただし非推奨)

「退職代行も会社に迷惑をかけるのでは?」と思う人もいます。しかし、(適切な)退職代行はあくまで法的に認められた正規の手段です。会社との直接的なやり取りを避けられるため、精神的な負担を減らせる一方で、違法性やリスクはありません。

りょうた
りょうた

ただし、退職代行の業者も無数にあり、かつピンキリなので事前にどの業者が良いかは念入りに調べましょう。

一方で、リベンジ退職は違法行為や嫌がらせを含むため、自分の将来を壊すこともある行為になります。両者は全く異なるものだと理解しておきましょう。

よくある質問(Q&A)

リベンジ退職をしてもバレないのでは?
データ削除や備品破損は必ず痕跡が残ります。調査されれば特定され、損害賠償に発展する可能性が高いです。
ハラスメントを受けていたら仕返ししても正当化される?
残念ながらされません。仕返し行為は別問題として扱われ、むしろ被害者としての立場を失うことになります。
ブラック企業を辞めたいけど、円満に辞められないときは?
弁護士や退職代行を利用すれば、直接上司とやり取りせずに安全に辞められます。法的にも問題はありません。ただし業者によっては非弁行為のリスクもあるため、弁護士もしくは労働組合が運営する退職代行を使いましょう。

実際の体験談から学べること

ブラック企業やハラスメント上司に対して「恨み」は残るものです。しかし、恨みを「嫌がらせ」という形で行動に移すと、逆に会社に訴えられるなど自分自身が損をしたりムダに労力がかかったりします。逆に冷静に法的な手段を取ったり、早めに環境を変える行動を取ったりする方が、長期的には確実にプラスになります。

僕自身もブラック企業での辛い経験を経て、正直元職場を訴えたい気持ちもありましたが、SNSなどを見てて労働問題の裁判って労力やお金がそれなりにかかりますし、それを乗り越えて裁判などをやったとしても労働者側が満足いく結果になるのはほんの一握りです。

フリーランスとして新しい道を切り開くことができました。もし退職時に感情に任せて仕返ししていたら、この未来はなかったかもしれません。

まとめ:リベンジ退職はやめておこう

リベンジ退職は、一時的なスッキリ感の代わりに大きなリスクを背負う行為です。会社や上司に問題がある場合こそ、冷静に正しい方法で対応することが、自分の人生を守る最善の選択となります。

退職はゴールではなく、新しいキャリアのスタートです。仕返しではなく、次の一歩にエネルギーを注ぎましょう。

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