著者:長池涼太(ブラック企業研究家)
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ブラック企業研究家として活動していると定期的にブラック企業や転職、キャリアに関する相談を受けることがあります。
そのなかで「就職、転職が上手くいかない」「仕事が見つからない」という相談をもらうことも多いのですが、実はそういう人がどういう仕事をしたいかを探ると「人と関わらない仕事がしたい!」という確率がかなり高い印象を受けました。
人と関わらない仕事というとたとえば在宅でやるブロガーやライターなどがありますがそれらはスキルがないと稼げないですし、一方で人と関わる要素がなさそうな事務職は実は意外と他の人との連携が必須だったりと実はイメージと実態とのギャップもあったりします。
今回の記事では人と関わらない仕事における実態や実は安易にオススメできないといった話を中心に解説しています。
人と関わらない仕事のメリット
人と関わらない仕事のメリットをざっくりまとめると、良くも悪くも「楽」ってところですね。
集中しやすくマイペースにやりやすい
会社で仕事をすると急な仕事が入るなどイレギュラーなことが発生しやすいです。たとえば僕が塾講師をやっていたころは基本的には授業準備など自分のクラス・授業に関わる業務がメインでしたが、社長の鶴の一声で突然別の仕事が発生することも多々ありました。
塾の前に事務をやっていたときも基本的にはルーティンワークではありながら来客や電話対応はいつ来るかもわからないので、仕事のペースが読みづらいことも多々ありました。
その点では人とのかかわりが少ない仕事はマイペースで仕事がしやすく、計画的に仕事を進めやすいです。
人間関係のストレスが少ない
仕事においてストレスを感じる瞬間は多々あると思いますが、特に多いのが「人間関係」。嫌な上司も一人くらい入るもので単に合わないくらいならまだいいのですが、ひどいとパワハラやセクハラをするような上司もいます。
僕は会社員時代にハラスメントや長時間労働を経験しましたが、長時間労働は業界事情や繁忙期もあるので必ずしも悪いものではないと思っています。ただハラスメントに関しては悪意のあるものがほとんどで明確にダメとも言われていますからね。
ハラスメントも人間関係ありきで発生するものなので、人間関係は良くも悪くも影響力があります。
人間関係次第ではうつ病などになる可能性もありますからね。
人と関わらない仕事のデメリット
人と関わる仕事においては人間関係など面倒なことも多いため、特に就職・転職関連の相談に乗っていると「人と関わらない仕事がしたいです!」と言われることもあります。ただ今後を見据えて考えると人と関わらない仕事ばかりやるのは長期的に見るとデメリットも意外とあると感じています。
コミュニケーションスキルが育ちにくくキャリアにも影響が出る場合も
個人的にはこれが一番だと思います。
コミュニケーションスキルは本などで勉強する以上に人と直接関わることで培われます。後述してますが、元々かなりの人見知り・内気な僕が塾講師をやったことである程度ちゃんと人と話せるようになったりもしました。
特に20代など若いうちはスキルもそうですが、それ以上に「いかにコミュニケーションをちゃんと取れるか」も重要になってきます。逆にいえば多少のスキルの不足やコミュニケーションでカバーできることも多いため、スキルの向上に目が生きがちですが周りの人とコミュニケーションをとり協調性を持つことも重要だったりします。
自己管理ができないとキツイ
人と関わらない仕事の場合は、何かを指摘してくれる人やその機会も少ないため自己管理の重要性が増します。
例えばブロガーやライターなども人と関わる要素が少ない仕事ではありますが、良くも悪くもマイペースで仕事はできます。ただ、特にライターは記事を書く上で必ず『締め切り』が存在しますし、締め切りや進捗状況をどこまで確認、指摘してくるかは人によります。
当然締め切りを守らなければお金がもらえないどころか信用を失うので今後の仕事がなくなることも十分に考えられます。
人と関わらない、関わる要素が少ない仕事は一見楽なようで仕事をやり遂げる上で自己管理ができないと話にならないことが多いです。
孤独感を感じやすい
「気軽に連絡できる人がいない」「休日はいつも一人」「知り合いがいない土地で一人暮らし」など、孤独感を感じる場面は人によってさまざまですが、孤独感を解消できずにいると、不安に押し潰されそうになるなど心身に悪影響を及ぼします。
孤独感は解消できる?孤独で不安を感じる原因から対処法まで解説 – あらたまこころのクリニック | 名古屋市瑞穂区の心療内科・精神科
人と関わらない=一人でいる時間がなくなるともいえるため孤独感を感じやすいのは当たり前の話ですが、孤独感が心身への悪影響や精神疾患のリスクもあります。
僕で言うと建設会社の事務をやっていた時は仕事の覚えが悪かったのもあって所属していた総務部の人全員から嫌われている状態でした。そのためメンタル的にもよろしくなく最終的にはうつ病寸前まで行ってしまい辞めざるを得ない状況まで追い込まれました。
一方でその次の塾は長時間労働で体を壊しはしましたが、幸い同僚や先輩で仲のいい人が多く、相談などもしやすい仕組みだったためメンタル的は建設会社と比べるとかなりマシでした。仕事上人と多少少ないくらいならいいのですが、「孤独感」を感じるレベルでかかわりがなくなると仕事の影響どころかメンタル面でも影響が出る場合があるので注意しましょう。
塾講師時代に集団授業で人前で喋る経験は大きかった
元々かなり人見知りする方だった
塾講師といえば「授業」をしますし、特に集団授業になると人前に立つ仕事でもあります。僕も塾講師時代は集団授業をメインで担当していたため、出勤日は毎日何かしらの集団授業はこなしていました。
特に僕は学生時代はかなり人見知りをして絵に描いたような内気な人間だったので、僕の学生時代を知る人には僕が塾講師をやっていることを伝えるとビックリされました。
それくらい僕自身もそうですが周りから見ても塾講師をやるのが意外なくらい人見知りをする人間でした。
学生時代の僕は人前で話すのは極力避けてました。
やっていくうちに人まで話すことへの抵抗がなくなっていった
ただ実際に塾講師をやってみると長時間労働など辛い部分はありましたが、授業をしたり生徒や保護者とやりとりをすること自体はかなり楽しく感じました。
授業はしっかりやりつつ、様子を見ながら生徒をいじったり時に楽しく授業もできました。
それを4年間やっていくと人見知りを克服…とはいかなくても、以前よりは気軽に人と話せるようになったと感じました。
結局は『慣れ』かもしれません。
人とガッツリ関わる仕事はどこかで1度くらい経験しよう
僕は昔から自分が話すのが苦手だったり内気だったりを自覚していたので、就職活動・転職活動をするときも営業というよりは事務など人と関わる要素が少なそうな仕事を主に見てきました。
ただ、実際に就職してみるとどんな仕事であっても大なり小なり人と関わる要素はありますし、どんな仕事でも社内の人は顧客などとのコミュニケーションは絶対に発生するので、そこでいわゆる『人嫌い』を発動させてしまうのも違います。
今の僕も決して饒舌に話すタイプではないですが、それでもフリーランスであったり現在請け負っている広報の仕事においては営業を書けるような形で様々な人と話す機会はどうしても発生します。今はそれが苦ではないですが、やはり大きかったのは塾講師という典型的な人とと関わる仕事を経験できたのも要因としてあったと思っています。
塾講師の仕事自体は楽しかったですし、子供から保護者までかなり幅広い年齢層の方と接点があったので、その辺の経験は今の活動にも生きています。そのため僕としては多少人と話したり、人と関わることが苦手であってもどこかのタイミングでガッツリ人と関わるような仕事を経験しておくことは長い目で見るとメリットしかありません。
むしろ若いうちに経験するとその後にも活かしやすいので、例えば大学生の時にバイトで塾講師などをやっておくのもいいかもしれません。
まとめ
- 人と関わらない仕事はマイペースにできたり人間関係のストレスが少ないなど一見すると楽
- ただコミュニケーションスキルが育ちにくかったり、孤独感を感じやすいなどのデメリットがある
- 仕事で人とガッツリ関わる仕事を経験することで、対人スキルが上がることがある
- 人と関わるのが苦手でもどこかのタイミングでガッツリ人と関わる仕事をしてみよう
仕事において人と関わるというのは煩わしい部分も多く「人と関わらない仕事をしたい!」という人が一定数いるのも理解はできます。ただ実際に就職したり独立してみると、むしろ想像するような人と関わらない仕事はほんの一握りな印象があります。
つまり人と関わらない仕事に固執することは、自らの可能性や選択肢を狭めることにもなります。
自分の適性や気質にも向き合ったうえで、時にはこだわりを捨てる勇気も必要かもしれません。