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大学の農学部を出ていますが、いろんな人に

大学は農学部でした
と言うとけっこうな確率で珍しがられます。
とは言え、農学部って何をやっているのか?
分かるようで分からない大学の農学部でやること。
実際に卒業した僕がまとめてみました。
この記事でわかること
- 農学部でどんな勉強をしているか
- 農学部でやる実験や研究
- 農学部の就職、進路の状況
ちなみに僕は玉川大学農学部を出てるので、そこを例にしてます。
農学部が勉強すること
実験。マウスの解剖で実際に切り開いた
最初のころは野菜だけでなくいろんなことを幅広くやります。
たとえばマウスの解剖。
各班(4人ずつくらい)に既に動かないマウスを1匹支給され、レクチャーを受けながら自分たちでお腹を切り開き内臓があるので、その様子をスケッチするというもの。
内臓を見ても意外と平気でしたが、それ以上に麻酔に使ってた薬品のにおいがきつかったです(;^ω^)
例年内臓を見てか薬品のにおいでか、気分を悪くする学生は数人いるそうです。
他にも牛などの家畜と動物も扱うことはあり、僕の行ってた大学はハチの研究が有名なこともあり、昆虫も扱いました。

農学部とはいっても扱うのは植物(野菜)だけではないのです。

特に大学1年生~2年生は動物から植物、遺伝子まで幅広く学びました。
土づくりからの農作業。各自で野菜を栽培
これは一般的なイメージ通りかと思います。
プランターでプチトマトを育てましたが必ずやる野菜を育てます。
葉が数枚程度の小さい苗の状態で、土に入れる肥料の配合・量も自分たちで調整して栽培しました。
トマトも育てて収穫するのはもちろんですが、収穫した個数や味などいろんなデータを取るのがメインでした。
それで問題が食味検査(味の確認)がありましたが、僕は大学入った段階ではトマトが嫌いだったこと(笑)
ただ、食べないとデータが取れないので嫌々食べてましたが、しばらく食べ続けているうちに気がついたら食べれるようになってました。
今ではむしろ好きな野菜です。
田植え。一つ一つ丁寧に植える

その少し前に米を発芽させるのは各自でやって、いい感じに伸びてきたものを各自で田植えしました。
通常はトラクターでやる場合が多いですが、この時は裸足で田んぼにも入り各自で手で植えました。
泥がすごく柔らかいので足が埋まってしまう感覚がなれませんでしたが、泥の生暖かい感じがクセになりそうでした(笑)
あと田んぼの中にはオタマジャクシやタニシとかもいたので、それを見てるのも楽しかったですね。
ちなみ僕は高校は普通科で農作業もしたことはなかったのですが、農業高校出身の人は高校で田植えとかはしてたようです。

農業高校出てた人は農作業全般を高校でやっていたからか手際が良かったです。
卒業研究・卒論などすごく忙しい

農学部というより理系全般に言えますが、文系と比べると圧倒的に忙しいです。
特に植物を使うとなると、日ごろの管理も欠かせないのでどうしても卒論中心の生活になります。
バイトをしながら卒論も不可能ではないですが、相当な労力がかかる覚悟は必要です。

僕の周りもバイトもやっている人はいましたが、最低限の回数に抑えてました。
大学4年の12月くらいまで、実験と論文作成で膨大な時間を費やしました。
論文は100ページ越え。

文系学部を羨ましいと思ったことは一度や二度ではありません(笑)
卒論は教授の厳しさも加味すると、ある意味会社の仕事以上にきつかったです。
ちなみに卒業研究は「観葉植物を使った空気浄化」というちょっと変わったテーマでした。

密閉した容器の中にゼラニウムの葉と少量のホルムアルデヒドを注入し、時間ごとにホルムアルデヒドの量を測定し、ゼラニウム(植物)がホルムアルデヒドを吸着・分解する効果があるのかを品種ごとに実証していました。

当時の結果は、品種間差はありながらも多くの品種でホルムアルデヒドの減少が認められました。

当時、園芸学の本にはお世話になりました。
農学部の就職活動、進路
農家になる人は意外と少ない
農学部というと、「農家になる」というイメージの方が多いようですが、実際は農家になるというのはごくまれです。
食品メーカーなどのメーカー系の企業への就職が多いです。
植物に関する仕事や大学の勉強をベースに学んだことを生かすというパターンが多いですね。
特に女性は食品系の学科を好む傾向(農業高校もふくめて)があり、食品系の会社への就職も多いです。
もちろん、専門と関係のない普通の企業に行って営業や事務などの仕事に就く方もいます。
僕も塾講師やってましたから。

最近はインターンシップやごく一部の大学では「コーオプ教育」を導入するなど、在学中に企業での実務経験も積むなどやることが多彩になりつつありますね。
大学院への進学
あとは大学院への進学。
民間企業の研究職は「院卒」以上しか受けつけてない会社も多いです。
そのため、大学院まで行ってそこから研究職に就くというパターンが多いですし、もしくはそのまま大学に残って研究をして、准教授、教授となったりもするそうです。
ちなみに就活の時期は、卒業研究とも時期が重なります。

就活と卒業研究の両立は今考えてもよくやったなと思うくらい大変でした…。
卒業研究で相当な時間と労力を使うので、やはり文系と比べると選考を受ける企業の数も少なめです。
(僕で20社ほどでした)
ただ他の大学も含めて大学院行って精神を病んだという話を聞くことが何度かあったのでそこは気になる所。
いずれにしても大学院はなんとなくで行くところではありませんね。
公務員もいる
少数派ではありますが、公務員への就職もあります。
農業に関わる職種や国家公務員でいうと農林水産省。
市役所や都道府県庁の事務職まで幅広いです。
ただし理系学部から公務員の事務職にいくのは少数派です。
僕も実は公務員を目指した時期があり公務員試験の講座も受講しましたが、試験の内容が多岐に渡ります。
そのため、膨大な勉強量と時間が必要になります。
それで就活を並行しようとするとかなり大変なので、覚悟が必要です。

大学受験もすごく勉強しましたが、公務員試験は大学受験以上の幅の広さでした…。
農学部は意外と幅広いし大変
本格的な卒論よりは前の話ですが、いろんなことをやりました。
農学部といっても野菜を育てるだけでなく、動物や昆虫も扱うし、僕の卒業研究は観葉植物でした。
さらに僕の場合他学部の教養科目も多めにとっていたので、なおさら幅広く勉強したと思います。
文学部や経営学部など文系学部の授業も取っていたくらいですから。
当時も農学部にはいながら、いろんな方面の知識をつけたいという思いは強かったですね。
もっと専門的になると、このように外で作業をやる場合もあれば、僕のように室内での実験がメインとなる場合もあるので、本当に人によって様々です。
農学部といっても幅広かったり奥深かったりします。