その会社、本当に大丈夫?面接で見抜くべき危険な兆候4選

その会社、本当に大丈夫?面接で見抜くべき危険な兆候4選

著者:長池涼太(ブラック企業研究家)

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転職・就職活動は、自身のキャリアを左右する重要な決断です。誰もが「良い会社に入りたい」と願いますが、求人情報や企業のウェブサイトだけでは、その実態を見抜くことは困難です。実は、企業の本当の姿を見極めるため、あなたのキャリアにおける「リスク管理」の絶好の機会となるのが選考、特に「面接」です。

面接は、企業があなたを評価する場であると同時に、あなたが企業を評価する場でもあります。面接官の何気ない言動や態度は、企業の文化や体質を映し出す、最も生々しい情報源と言えるでしょう。面接時の態度はそのまま社内の様子を表します。

ここでは、あなたのキャリアを守るために、面接官の言動に潜む「危険な兆候」を4つのカテゴリーに分けて解説します。

記事の著者
ブラック企業研究家長池涼太

ブラック企業研究家
長池 涼太

職業紹介責任者の資格所持。大学でのブラック企業に関する授業登壇の実績あり。当メディア涼しく生きる運営。

ブラック企業において過労死寸前の長時間労働やパワハラを経験。その経験をもとに大学などでブラック企業の恐ろしさやブラック企業を避けるための立ち回りなどを講演等で解説。

企業の採用選考にも守るべきルールはある

記事の内容についてYouTube動画でもまとめています。

面接を筆頭に企業の採用活動においては考慮すべき項目が定められています。

就職差別につながるおそれがある具体的事項として、少なくとも

  • 適性・能力に関係のない事項「本人に責任のない事項や、本来自由であるべき事項(思想・信条にかかわること)」を、エントリーシート・応募用紙・面接・作文などによって把握すること
  • 身元調査・合理的必要性のない採用選考時の健康診断を実施すること

など14事項をあげることができます。

採用選考時に配慮すべき事項 | 厚生労働省

具体的な14事項は以下の通りです。

(a)本人に責任のない事項の把握

  • 本籍・出生地に関すること(注1)
  • 住宅状況に関すること
  • 家族に関すること
  • 生活環境・家庭環境などに関すること

(b)本来自由であるべき事項(思想・信条にかかわること)の把握

  • 宗教に関すること
  • 人生観・生活信条などに関すること
  • 思想に関すること
  • 購読新聞・雑誌・愛読書などに関すること
  • 支持政党に関することの把握
  • 尊敬する人物に関すること
  • 労働組合(加入状況や活動歴など)、学生運動などの社会運動に関すること

(c)採用選考の方法

  • 身元調査など(注2)の実施
  • 合理的・客観的に必要性が認められない採用選考時の健康診断の実施(注3)
  • 本人の適性・能力に関係ない事項を含んだ応募書類の使用
採用選考時に配慮すべき事項 | 厚生労働省

このように定められており、この14項目に抵触する行為、たとえば面接で「お父さんのご職業は?」「どの政党を支持していますか?」などのように聞くのはNGです。

面接においては緊張を和らげる、和ませるために面接官が聞いてしまうこともあるので注意。もしこのような質問などを受けてしまった場合は最寄りのハローワークや労働局に相談しましょう。

面接で注意すべき面接官の言動

選考においては先述のようにルールがありますが、特に面接においてはルールを逸脱したような質問などをされることもあります。ここでは実際にどのような質問、言動があるかを解説しています。

プライベートへの過剰な干渉

具体的な言動
  • 独身か既婚かをやたらと気にする
  • 年齢、独身であることに関する質問
  • プライベートに過度に踏み込んでくる質問
  • 結婚や出産に関して深入り

面接官が執拗に婚姻状況や年齢、結婚・出産の予定、家族構成などについて質問してくる場合、極めて注意が必要です。これらの質問は、応募者の適性や能力とは無関係であり、場合によっては不適切な選考活動と見なされることもあります。

このような質問がされる背景には、個人のプライバシーを軽視し、境界線なく干渉してくる企業文化が根付いている可能性があります。ライフスタイルを理由とした不当な評価や差別につながるリスクをはらんだ、危険な兆候です。

偏見や固定観念にもとづく発言

具体的な言動
  • 価値観や人格を否定するような言動
  • 「女性は事務でしょ!」など性別による固定概念が強い
  • ゆとり世代、Z世代などひとくくりにディスってくる

あなたの価値観を頭ごなしに否定する、あるいは「女性は事務職が向いている」「Z世代は○○だから」といった、性別や世代に関するステレオタイプを押し付ける発言は、重大な危険信号です。

僕が選考を受けた会社でもゆとり世代をひとくくりにバカにしてくるような面接官がいました。その会社に入社した時に面接官は直属の上司にあたりましたが、入社後も面接と同じような雰囲気でたくさんディスられました。

このような言動は、多様性や個人の意志を尊重する姿勢が組織全体に欠如していることの明確な証拠です。画一的な価値観を強要する文化は、従業員のエンゲージメントを削ぎ、イノベーションを阻害する硬直的な職場環境を示唆しています。

威圧的・否定的なコミュニケーション

具体的な言動
  • 威圧的、高圧的な態度
  • キャリアの空白や転職回数に関して頭ごなしに批判・否定してくる

いわゆる「圧迫面接」が典型例ですね。意図的に高圧的な態度を取る面接官がいる場合、それは社内のコミュニケーションスタイルを直接反映していると考えるべきです。初対面の応募者に対してそのような態度を取る企業では、日常的に同様のコミュニケーションが横行している可能性が非常に高いでしょう。

特に地方などの小さな会社の場合は入社後に直属の上司にあたる方や経営者が面接官を務めることも多いため、面接の雰囲気がそのまま職場の雰囲気といってもいいくらいです

また、転職回数の多さやキャリアの空白期間について、背景を理解しようとせずに一方的に批判する態度も時には問題です。これは、社員一人ひとりの事情に寄り添う共感性や理解力が、組織として欠如していることの表れです。仮に入社しても入社後にあらぬ誤解や偏見を吹っかけてくる可能性も高いです。

仕事内容や職場環境の不透明さ

具体的な言動
  • 仕事内容があいまい、聞いてもぼかしてくる
  • 「現場を見学させてほしい」と言っても見学をかたくなに拒否する(別日でも拒否)

質問に対して具体的な仕事内容をはぐらかしたり、曖昧な説明に終始したりする場合も要注意です。さらに、「職場を見学させてほしい」という要望を正当な理由なくかたくなに拒否するのも、見過ごせない兆候です。

もちろん、セキュリティや機密保持といった正当な理由で、即時の見学が難しい場合もあります。しかし、信頼できる企業であれば、その理由を丁寧に説明し、後日改めて機会を設けるなどの代替案を提示するはずです。理由の説明もなくただ拒否するのは、職場環境に何か隠したいネガティブな側面があることを強く示唆しています。

悪い意味で印象に残った面接

面接の違和感は当たることが多い

僕が経験したパターンでは特に「威圧的・否定的なコミュニケーション」で、ゆとり世代とひとくくりにディスってくる面接官や終始高圧的な面接官を経験し、なぜかその面接は通過し入社しました。

ただ、いずれもその面接官と入社後に仕事をして、面接の雰囲気そのまんまにパワハラなどを受けたので、面接の雰囲気と社内(職場や部署)の雰囲気は案外一致するものです

面接で説教されて泣いて帰った

大学生の就活で新卒時に受けたとある企業の面接では、言うことがことごとく面接官のお気に召せなかったようで何を言っても反論、説教されました

面接官がかなりビジネス志向の強い方だったので、考えが甘いと取られたようですが、それはそれとして当時経験がないくらいボロクソ言われたので帰りの電車は泣いて帰りました。

体育会系特有の圧に危険を感じた

社会人になり最初の就職先だった建設会社を退職後、転職活動していた時にとある学習塾の面接を受けました。会社の事務所に着くと社員数名が仕事をしていたのですが、僕を見るなり全員が立ち上がりその場で「こんにちは!!」と大声であいさつをされました。

あいさつする人たち
画像はイメージです。

それにビックリしつつ普段講師もやってる方が面接官だったのですが、終始体育会系特有のギラギラした雰囲気に終始圧倒されました

後日面接の結果が来るとその面接官からは「覇気がない!」と言われ、「一応面接の結果としては保留にしてるけど、次に進む気があるなら2次面接やってもいいよ」と謎に上から目線な感じで言われてしまい、前職の建設会社でも上司のパワハラまがいのことを受けただけに少し身の危険も感じたため、選考は辞退しました。

後々ホームページなどでその会社を調べると良くも悪くも体育会系の雰囲気が強い社風だったので、少なくとも僕には合わない会社だったので選考を辞退したのは今でも正解だったと思っています。

まとめ

面接は、あなたと企業の相性を確かめるための「お見合い」です。企業のウェブサイトやパンフレットに書かれた美辞麗句よりも、面接で感じた生身の雰囲気や面接官の態度のほうが、企業文化を判断する上で、最も信頼できる指標となります。

もし面接中に少しでも「おかしいな」「この会社は合わないかもしれない」と感じたら、その直感を決して軽視しないでください。貴重なキャリアを預けるに値する企業かどうかを、あなた自身の目で見極めていきましょう。

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